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ジャイロで効率アップした波力発電

2010年01月09日(土)

今日は太陽光発電とは関係の無い話題。日本は四方を海に囲まれている。この海洋の力を使ったエコな発電には、主なものが2つある。一つ目の潮力発電は潮位差を利用した発電で、出力がギガワットクラスの巨大な発電所が可能だ。二つ目は波力発電で、波の寄せては返す力を利用した発電だ。今日の話題はこの波力発電。産経新聞系のSankeiBizサイトの1月4日記事「波力発電の新方式開発 高い効率性、耐久性実現」から一部を引用する。

環境面で注目される波力発電で従来弱点となっていた効率性を高め、低コストで高い耐久性を保持する新しいシステムを、神吉(かんき)博・神戸大名誉教授(機械力学)らが開発。実用化に向け、最終試験を進めている。ジャイロ(コマ)を使って波による揺れを直接回転運動に変換する技術を採用。製品化を目指す神戸大発のベンチャー企業「ジャイロダイナミクス」(神戸市中央区)は、今年から国内外で販売を開始する計画を立てている。
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日本全国の海岸に打ち寄せる波のエネルギーは総計で原発数十基分と推定され、神吉さんは「これほどのエネルギーを使わないのはもったいない」と、平成12年ごろから波力発電の研究を進めてきた。

従来の波力発電は、波の運動を空気の移動に変換し、タービン(回転動力の原動機)を回して発電する方式が主流だった。しかし、この方式ではエネルギーの変換回数が多く、タービンの回転ロスもあって効率の悪さにつながっていた。

神吉さんはもともとジャイロを使った宇宙ステーションの制御などの研究が専門で、波力をジャイロで回転運動に換え、発電機を回す方式を発案した。鳥取大と共同研究を進め、16年には鳥取市の港湾に最大出力5・5キロワットの試験機を設置。実験の結果、発電効率はタービン方式の2倍以上になることが確認された。

ジャイロ方式は機械が海水や外気と接触しないため耐久性にも優れており、実験では海上に4カ月間設置しても損傷はなかった。

現在は和歌山県すさみ町沖の太平洋で最大出力45キロワットの発電機(縦9メートル、横15メートル)を浮かべ、今年2月までの予定で実験を行っている。
...(C)SankeiBiz

既存の波力発電は効率が悪かった。Wikipediaによれば、波力発電の原理は「没水部の一部が開放された空気室を水中に設置し、ここから入射した波で空気室内の水面が上下し、上部の空気口に設置した空気タービンが往復空気流で回転する。」

引用新聞記事のとおり、既存の波力発電は波の力をいったん空気の運動に変えてからタービンを回して回転運動に変える、という原理のため非常に効率が悪い。今回、神戸大名誉教授の神吉氏が開発した波力発電は、ジャイロを使って波の力を直接回転運動に変える仕組みなので効率が良い。

鳥取市の港湾にテスト機を設置して実験したところ、この新システムは従来のタービン方式の2倍以上の効率であることが確認されたそうだ。これは大変な効率アップだ。そして神吉氏によれば、日本全国の海岸に打ち寄せる波のエネルギーは総計で原発数十基分と推定されるそうなので、効率アップした波力発電機があれば太陽光発電や風力発電よりも安く安定した発電が可能になるはずだ。

またこの新方式は、機械の内部が海水や外気に接触しないため耐久性も優れている。

現在は和歌山県沖に出力45キロワットの発電機を設置し実験中。この発電機のサイズは9m×15m、ということは、このサイズの太陽光発電ではとても45キロワットには及ばない。出力45キロワットは太陽光発電なら一般家庭10~15軒分に相当する出力なのだ。

風力発電には致命的欠点があった。鳥との衝突、バードストライクだ。この新方式の波力発電は、ジャイロが密封されているので"フィッシュストライク"はほとんど発生しないだろう。

効率よく安定したエコな波力発電、今後着目されて良い優れた発電だ。


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