火山灰のシラスから太陽電池の原料のシリカを得る研究

火山灰からケイ素

2012年02月13日(月)

宮崎日日新聞の2月12日記事「太陽電池の原料シラスから精製」から。

宮崎大工学部の西岡賢祐准教授(半導体工学)の研究室は、九州南部に幅広く堆積する火山灰「シラス」から、高純度のシリカ(SiO2)を精製することに成功した。

シリカは、太陽電池の原料となるシリコン(Si)の元となる物質。精製には、本県で研究が進むSPG(シラス多孔質ガラス)の開発技術を応用。国内メーカーは「シリコンの原料として十分可能性がある」と興味を示しており、100%輸入に頼るシリコンの国内供給に期待が高まっている。

西岡准教授によると、太陽光発電に使用される太陽電池は大部分がシリコンでできており、シリコンはシリカから酸素を除去(還元)することで作成される。太陽電池用のシリカは99・9%以上の高い純度が求められるが、国内ではほとんど採掘されない。シリカの還元には膨大な電力が必要なため、電力が安く還元のコストが安い中国を中心にすべて輸入に頼っている。(C)宮崎日日新聞

太陽電池の原料となるシリコンの元となる物質であるシリカを火山灰から作ってしまう、という宮崎大の研究だ。

九州南部には、火山灰であるシラスが幅広く体積している。これは、桜島や阿蘇山、霧島などの火山活動による火山灰だろう。この火山灰を、宮崎県で研究が進んでいるSPG(シラス多孔質ガラス)という手法で精製する。このSPGについては、「シラス多孔質ガラス(SPG)の応用」ページに詳しく書かれている。

この記事には精製物の画像が掲載されている。この画像の一番左が原料の火山灰であるシラス。一番右が、精製され純度99.9%のSNAPSと称されるシリカ。この引用記事の画像説明には、確かに純度99.9%と書いてあるが、太陽電池を作るにはそれでは純度不足と思う。

Wikipediaのケイ素によれば、

太陽電池グレード (SOG) シリコン
  太陽電池には SEG グレードほどの超高純度は必要なく、7N 程度の純度で済み...

と書いてある。純度"7N"とはセブンナイン、つまり9が7つ、99.99999%の純度の意味だ。しかし上記の火山灰から得られた二酸化珪素の純度は99.9%と、スリーナインだ。ということは、工業化にはこの純度をさらに高める研究が必要だろう。

とはいえ、100%輸入に頼り、主な輸入国の中国の政策(価格高騰、出荷縮小)に振り回される日本としては、このような基礎研究を元に自前で太陽電池原料のケイ素を供給できるようにするべきだろう。ということは、政治はこのような研究にもっと研究費を出すべきと考える。


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