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稚内の実証研究施設のメガソーラー

2010年01月05日(火)

今日は稚内の話題。朝日新聞サイト北海道版1月4日付記事「太陽電池 セット完了 稚内メガソーラー」から。

■パネル2万8000枚 新年度に実証研究の仕上げ

稚内市郊外で建設が進んできた大規模な太陽光発電の実証研究施設(稚内メガソーラー)が昨年末、ほぼ完成した。フル稼働すれば総出力は5メガワットにも達し、研究用とはいえ、一般家庭約1700世帯分を賄う能力を持つ国内最大級の発電施設となる。
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独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」が2006年度から、同市と北海道電力に事業を委託して、10年度までの5年間で施設整備と研究を行う。
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「多結晶シリコン」「化合物系」など各種の太陽電池パネル約2万8千枚が取り付けられた架設台51基がずらりと並び、大容量のナトリウム・硫黄電池(NAS電池)の施設も併設された。現在は機器やシステムの調整中だ。

太陽光発電は化石燃料の代替エネルギーの主力として注目されているが、日照や天候に発電量が左右されるため、そのまま従来の送電網に接続すると電圧変動などの問題が起きる。NEDOは稚内メガソーラーで安定した電力供給の実証研究を進めて事業化にめどをつける一方、さまざまな太陽電池の比較や積雪寒冷・強風など過酷な自然環境による影響も調べている。

出力では三重県亀山市の電機メーカー工場にわずかに及ばないが、NAS電池併設は国内で唯一のため、内外の関心は高く、見学者が絶えないという。
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10年度は実証研究の仕上げに入り、終了後は同市に譲渡する見込み。市は公共施設への電力供給や研究、環境教育などに「稚内市営太陽光発電所」として運営・活用する方法を探っている。(C)朝日新聞

稚内市に建設中だったメガソーラーがほぼ完成した。これは新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が北海道電力と稚内市に委託した実証研究施設。研究用ではあるが出力は5メガワットと、大規模だ。

この施設については経済産業省北海道経済産業局のホームページ「稚内メガソーラー見学会 施設概要」に概要が書かれている。それによれば、つぎのとおりだ。

稚内メガソーラー

大規模な太陽光発電の出力変動が電力会社の系統に与える影響を抑制・コントロールするため、発電した電力を一時的に蓄電池に貯蔵し必要な時に放出するシステム等を実証研究。(NEDOから研究委託)

<事業名>
「大規模電力供給用太陽光発電系統安定化等実証研究」
<実証研究者>
北海道電力(株)、稚内市ほか
<事業期間>
平成18年度~22年度(予定)
<事業費>
70億円程度
<事業規模>
出力約5000kW

この研究の主目的は、メガソーラーの出力変動が電力会社の系統にどのような影響を与えるか、またどのようにコントロールするか、ということだ。要するにスマートグリッドのベーシックな部分の研究と言える。その変動を制御するため、発電電力を一時的に蓄電池に溜めて必要時に放出するシステムの研究もある。その他の研究テーマは、引用新聞記事にあるとおり、様々な種類の太陽電池パネルの比較、積雪・寒冷・強風による影響の調査だ。またその蓄電池として、大規模なナトリウム・硫黄電池(NAS電池)も設置された。このNAS電池は、Wikipediaのナトリウム・硫黄電池によると次の特徴を持つ。

ナトリウム・硫黄電池は、活物質であるナトリウムや硫黄を溶融状態に保ち...
従来の鉛蓄電池に比べて体積・重量が3分の1程度とコンパクト...
常温では動作しないため、ヒーターによる加熱と放電時の発熱を用いて、作動温度域(300℃程度)に温度を維持する必要がある。(C)Wikipedia

ナトリウムとイオウを溶融状態に保つため300℃という高温が必要になる。高温の金属ナトリウムは反応性が非常に高く危険な物質だ。はっきり言って住宅地には置きたくない蓄電池だ。日本ガイシと東京電力が製造・販売しているそうだが、かなり高価であると想像される。

話を戻してこの研究用メガソーラーは、2010年度が研究の最終年度だ。研究終了後は稚内市に譲渡する見込み、とのことなので、事業費70億円の大掛かりなプロジェクトは研究終了後は市民に役立つ施設となる。


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