神奈川県知事は太陽光パネル設置の負担を無くすため県債を検討

太陽光パネル設置の負担を無くすため県債

2011年07月22日(金)

神奈川県知事の公約のひとつは、「設置費用なしで家庭にソーラーパネルを普及させる」ことだ。それを実現させるための「かながわソーラープロジェクト研究会」の初会合が開かれたという話題を、このブログの5月19日記事「太陽光発電設備を無償で設置」に書いた。その続きといえる記事が、少し前だが6月22日付の朝日新聞サイト記事”太陽光発電設置 自己負担「必要」”にあった。次のとおりだ。一部を引用する。

(神奈川)県の「かながわソーラープロジェクト研究会」は21日、太陽光パネルの設置について「現行制度では自己負担が必要」とする第1次報告書をまとめた。

研究会は、住宅の太陽光発電では現行の余剰電力買い取り制度が続くと想定。太陽光パネルの標準的な設置費用の個人負担分170万円を全額ローンで賄った場合、固定買い取り期間の終わる10年後も76万円の債務が残ると試算した。

負担を軽減するため、研究会は、県主導で低価格の太陽光パネルの仕様、施工方法を探るモデル事業を実施するよう提案した。

研究会の村沢義久会長は「一括購入で初期費用は3分の1減らせる」とも述べ、自己負担がなくなる可能性もあると強調した。
...(C)朝日新聞

知事の公約実現は困難を極めているようで、その時点では個人負担分をすべて売電で賄えない、つまり自己負担が発生する、という見通しになった。ただ同研究会では、機器の一括購入で初期費用は1/3に減らせる、という見通しを表明。これが実現できれば自己負担分は不要となる見通しとか。

ここで問題になるのは、このプロジェクト実行のための資金だ。一括購入にはかなりの資金が必要になるはずだ。最初の当ブログ記事中の引用記事では、その資金は「金融機関や投資家などから調達した資金」とあるが、それでは資金が集まるまではプロジェクトが先に進まないことになる。その対応として神奈川県知事の考えていることが、朝日新聞サイトの6月27日記事「ソーラーパネル設置、1千億円の県債検討 神奈川県」だ。次のとおりだ。

太陽光発電の普及を進めるため、神奈川県が住宅用のソーラーパネル設置費用として1千億円の県債発行を検討していることが26日分かった。黒岩祐治知事らが出席し、横浜市内で開かれた「太陽経済かながわ会議」の討論の中で明らかになった。

公債発行には様々な制限がある。さらに県は多額の借金を抱えており、県議会の承認も容易ではない。それでも県債発行を検討するのは、黒岩知事の「夏までに5万~15万戸分の太陽光パネルの設置」の公約実現が難航しているためだ。

県債は、1戸当たりの住宅のソーラーパネル設置費用200万円を5万戸分に充てる。希望する県民の住宅に無料で取り付け、売電収入は県の収入とする構想。パネル設置の経済効果で税収も増えて15~20年で償還できると見込んでいる。

この日の討論会では、黒岩知事のブレーンで、太陽経済の会の山崎養世代表理事が「(電力会社が)電気を買ってくれる。これほど返済確実性のある県債はない」と強調。元東大総長で三菱総合研究所の小宮山宏理事長は、新築の住宅に太陽光パネルの設置を義務づける条例制定を提言した。
...(C)朝日新聞

公約の早急な実現のため、1千億円にものぼる県債を検討している、とのことだ。神奈川県は多額の借金を抱えているため1千億円もの県債の承認を議会から得ることは大変のようだ。ただ、売電益、ならびに「パネル設置の経済効果で税収も増える」ことで、15~20年で設置費用は償還できる見通しを表明し、議会の理解を得たい模様だ。

太陽光発電の機器の価格はどんどん下がっていること、全量買取制度も見通しが立っていることから、償却期間はもっと短いのではないか、と思う。15~20年では長すぎ、それでは議会の承認は苦しいのでは、と予想する。

ただ、脱原発の一時でも早い実現のため、このプロジェクトは是非成功してもらいたい。


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