紫キャベツ色素を使った色素増感型太陽電池の研究

紫キャベツ色素の色素増感型太陽電池

2012年01月17日(火)

西日本新聞サイトの1月12日記事「紫キャベツで太陽光発電 九工大のグループが開発」から一部を引用する。

九州工業大学大学院情報工学研究院(福岡県飯塚市)の古川昌司教授の研究グループは、紫キャベツに含まれる天然の色素を使った太陽光電池の開発に成功した。植物の光合成の働きを発電に利用する研究で、低コストで環境にも優しい。...

古川教授によると、実用化されている太陽光電池はシリコンを素材としているが、価格が高騰し入手が難しくなっているという。そこでグループは5年前から、次世代型の太陽光電池として、野菜などに含まれる天然の色素を使った「色素増感型太陽電池」の開発に取り組んできた。

色素増感型太陽電池では、光エネルギーを電気エネルギーに変換する「変換効率」の高さが重要になってくる。グループはコーヒーやパプリカ、ホウレンソウ、ハイビスカスなど約30種の色素で実験し発電効率を調べたところ、紫キャベツが最も高い数値を示した。

最新の研究では、太陽光を100とした場合の変換効率を1・85まで高めることに成功。他の野菜などは0・1-0・2にとどまるため、古川教授は「紫キャベツには、他の植物に比べてアントシアニン色素が多く含まれることが、発電効率を高めている」と分析している。
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変換効率が30%のシリコンや、色素増感型の研究で最高値11%の希少金属ルテニウムに比べ、植物素材ははるかに低いが、古川教授は「変換効率を5%まで高めれば、太陽光を多く吸収できる、広い国土を持つ発展途上国で実用化が期待できる。コストもかからず、野菜から色素を取り出せば残ったものは食べることもでき、究極のエコエネルギーになる」と話している。(C)西日本新聞

色素増感型太陽電池というタイプの太陽電池がある。これは未来技術のひとつで、色素による太陽電池だ。その色素に、野菜の色素を使う研究の話題だ。

九州工業大学大学院の研究グループは野菜の色素による太陽電池を研究している。同グループは約30種類の野菜を研究したところ、紫キャベツの色素が最も高い発電能力があった。紫キャベツ多く含まれるアントシアニン色素が発電能力に寄与しているらしい。

この色素増感型太陽電池は、なにせ変換効率が悪い。商用レベルの一般のシリコン単結晶型太陽電池では20%台なのに比べ、この紫キャベツ太陽電池は2%弱だ。それでも、他の野菜の色素よりはずっと高い。

このタイプの太陽電池は、色素を使うのでシリコンよりは圧倒的に安いこと、薄くて曲げられること、色素によりカラフルな太陽電池が可能になること、など利点は多い。だがなんといっても問題は効率だ。同研究グループの教授によれば、変換効率が5%まで高めることができれば実用化が期待できるレベル、とのことだ。

変換効率が低いということは、より広い太陽電池の設置面積が必要になる、ということだ。引用記事にもあるが、発展途上国がターゲットになるかもしれない。


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