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カテゴリー:神奈川県

神奈川県の太陽光発電の状況

2012年02月02日(木)

神奈川新聞社のカナロコサイトの1月20日記事「(神奈川)県の太陽光発電普及策、目標1200件も実績は数件で顧客開拓へ/神奈川」から一部を引用する。

住宅用太陽光発電の普及拡大を目指し、黒岩祐治知事の肝いりで県が立ち上げた「かながわソーラーバンクシステム」。稼働開始から約1カ月で100件を超す見積もり依頼が寄せられたが、設置工事にこぎ着けたのは数件にとどまる状況だ。県は太陽光への熱が冷めないうちにと、各地で“出前商談会”を開き、新たな顧客獲得に乗り出す。

JR関内駅近くの「かながわソーラーセンター」は、売電収入を踏まえた「初期負担ゼロ」のプランを目玉に計33通りの設置モデルを用意し、昨年12月 22日にオープンした。初日に60件以上の問い合わせが殺到するなど順調な滑り出しを見せていたが、今月18日までの相談件数は445件。このうち、設置業者に仲介し見積もり申請に至ったのは118件だった。

県が開設当初に掲げた設置目標は、3月末までに1200件。だが、これまでの実績は「1桁台」という。担当者は現状について「6日間の年末年始休暇があった…」などと説明するが、14市町で2011年度分の補助金交付が終了していることなども響き、思惑通りには伸びていない状況だ。

国補助金を充てても100万円を上回るソーラーパネルの購入は、大半の家庭にとって一度限りの大きな買い物。県は「以前から関心が高かった家庭は開設直後に相談している」と冷静に分析しており、目標達成には潜在ニーズの掘り起こしが不可欠としている。

情勢好転に向けた突破口として着手するのは「出前商談会」だ。横浜会場を皮切りに、2月には平塚、相模原で開催。厚木や小田原でも検討しており、市補助金が残っているエリアを中心にPRを展開する。
...(C)神奈川新聞社

無料で太陽光発電設備を設置などの公約を掲げた神奈川県黒岩知事がその公約をどんどん後退させていることは、このブログの昨年2011年9月13日記事「神奈川県知事の太陽光発電設置公約」に書いた。その後の10月初めに、知事は同公約を撤回した。その後の話題が上記引用記事だ。

県は一般住宅向けの太陽光発電の普及拡大のため「かながわソーラーバンクシステム」を立ち上げだ。稼動直後から約1ヶ月で100件を超える見積り依頼があったが、設置工事にこぎつけたのはたったの数件に留まる、という寂しい状況だ。

県は「かながわソーラーバンクシステム」設置の際、今年3月までに1200件の太陽光発電設備の設置を目標にしていたが、まだ数件に過ぎない、ということだ。

その理由として、年末年始休暇や太陽光発電設置補助金の交付が終了している自治体が14市町もあること、と担当者は考えているようだ。もしそうなら、新年度の4月以降は状況が改善するはずだが、どうだろうか。

引用記事にもあるが、国の補助金を充てても太陽光発電設備の設置には100万円以上かかり、その回収には長い年月のかかる大きな買い物だ。その大きな買い物をいま、決心する人はそれほど多くは無い、と私は考える。その大きな理由は、「先行きの不透明感からの消費抑制」だ。首都圏で直下型の巨大地震が数年以内に高い確率で発生するであろうことは様々な学者が発表している。また神奈川県は東海地震も被害が予想される。まだ日本経済、いやそれどころか世界経済もガタガタでユーロも危なく、もしユーロが駄目になったらドル、元も駄目になるだろう。そうなると日本は超インフレも予想される。そのような状況のいま、無駄な買い物はできるだけ抑えたいと皆が感じているように思う。この時期に3月までに神奈川県で太陽光発電を1200件設置、は無理な目標と思う。ドゼウがもうちょっとましな政治をすれば状況は良くなるかもしれないが。

太陽光発電システムの福袋

2011年12月31日(土)

正月に太陽光発電システムを福袋として格安販売する話題は数年前から耳にする。このブログでも、実質2年前の記事だが、2010年1月3日のエコな福袋や、その翌日の太陽光発電システム付き住宅の福袋の2回、話題にした。

今日の話題は、神奈川県に展開するさいか屋百貨店の福袋だ。毎日新聞12月28日記事”さいか屋:「太陽光福袋」を販売へ 創業140年記念、価格140万円 /神奈川”から一部を引用する。

県内で3店舗を展開する百貨店「さいか屋」(本社・川崎市)は新年の初売りで、「太陽光発電システム福袋」を販売する。京セラ製の太陽光パネルなどで、さいか屋が2012年に創業140周年を迎えることにちなんで価格は140万円。川崎、横須賀、藤沢の各店で1袋ずつ販売する。受け付けは1月1~3日で、申し込み多数の場合は抽選となる。

また、省エネ設備を取り入れた住宅の注文を受け付ける「エコ住宅福袋」も2012万円で販売する。各店3軒までで、担当者は「かなりお得な値段設定。神奈川のエコにお役に立てば」と話している。...(C)毎日新聞

このさいか屋の「太陽光発電システム福袋」の価格は140万円。さいか屋が2012年に創業140周年であることにちなんだ価格設定とのこと。このシステムの太陽光パネルは京セラ製ということはこの記事でわかるか、出力が不明だ。もし出力2キロワットでは全然お得ではない。

そこでさいか屋ホームページでこの話題を探したところ、次の記事を見つけた。2012 年新春さいか屋の福袋だ。それによれば、この太陽光パネルは京セラのKJ186P-3CRCAという製品で、設置容量上限は4キロワット、とのことだ。"設置容量上限"は、もっと大きな容量が可能でも4キロワットまで、とのことだろう。設置費用の負担についてはこのページにも書かれてはいないが常識的には福袋提供者側と考えると、4キロワットで140万円は非常に安い。太陽光発電システムの価格が下落したいまでも、これは安い。恐らく申込が殺到すると思うが、件数は百貨店の3支店分の3件でそれ以上は抽選、とのことだ。

神奈川県知事の太陽光発電設置公約

2011年09月13日(火)

この4月神奈川県知事に当選した黒岩氏には、太陽光発電関連の次のような公約があった。
(1)設置費用なしで家庭に太陽光発電設備を普及させる。
(2)この夏までに5万~15万戸分の太陽光発電設備を設置する。
(3)2015年までに200万戸分の太陽光発電設備を設置する。

この(1)、(2)の実現に困難を極め、この実現のために1千億円もの県債を検討していることを、このブログの7月22日記事「太陽光パネル設置の負担を無くすため県債」に書いた。

今日の話題は、上記(3)の実現が困難となった、という件だ。東京新聞サイトの9月13日記事”太陽光パネル 200万戸分設置 目標後退「20年までに」知事”から一部を引用する。

黒岩祐治知事は十二日に開会した県議会定例会で、二〇一五年までの四年間で、住宅二百万戸分の太陽光発電パネルを設置するという知事選の公約について、目標の達成期限を二〇年に後退させる考えを表明した。
...
(太陽光)パネル設置の目標については「同構想を推進する中で、できる限り早期に達成できるよう全力で取り組む」と述べた。

黒岩知事は公約で、今年の夏までに五万~十五万戸分のパネルを設置することを目指していた。しかし、県によると、黒岩知事が就任した四月から八月に設置したパネルは、約八千二百戸分で、本年度一年間の設置は、二万戸分程度となる見通し。

設置戸数は、工場などに設置した業務用分も含む県内全体のパネルの発電力の合計を、一般家庭用パネルの発電力の三・三キロワットで割り算して算出。このため、実際にパネルを設置している住宅戸数は、県が明らかにした数字よりも少ない。(C)東京新聞

上記「(3)2015年までに200万戸分の太陽光発電設備を設置する」の公約は、期限を5年遅らせた、2020年に後退した、というニュースだ。これで太陽光関連の公約すべての実現が困難/遅滞となる。

そして県によれば、4~8月に太陽光発電設備を設置した個数は約8,200戸分とのこと。公約の「(2)の今夏までに5万~15万戸分の太陽光発電設備を設置」には程遠い。そして発表された"約8,200戸"という数字もまやかしで、設置総出力を一般家庭の平均出力である3.3キロワットで割った数字とのこと。この総出力には工場などの業務用も含むため、一般家屋8,200戸、ということではない。一般家屋の数はさらに少なくなる。

知事の理念は大変良いとは思う。しかし元ニュースキャスターが考えていたほど政治の世界は甘くはなかった、ということだ。

とはいえ、原発推進派のドジョウブタが首相になったいま、神奈川県知事には全力を尽くして公約実現に向かって努力してもらいたい。

太陽光パネル設置の負担を無くすため県債

2011年07月22日(金)

神奈川県知事の公約のひとつは、「設置費用なしで家庭にソーラーパネルを普及させる」ことだ。それを実現させるための「かながわソーラープロジェクト研究会」の初会合が開かれたという話題を、このブログの5月19日記事「太陽光発電設備を無償で設置」に書いた。その続きといえる記事が、少し前だが6月22日付の朝日新聞サイト記事”太陽光発電設置 自己負担「必要」”にあった。次のとおりだ。一部を引用する。

(神奈川)県の「かながわソーラープロジェクト研究会」は21日、太陽光パネルの設置について「現行制度では自己負担が必要」とする第1次報告書をまとめた。

研究会は、住宅の太陽光発電では現行の余剰電力買い取り制度が続くと想定。太陽光パネルの標準的な設置費用の個人負担分170万円を全額ローンで賄った場合、固定買い取り期間の終わる10年後も76万円の債務が残ると試算した。

負担を軽減するため、研究会は、県主導で低価格の太陽光パネルの仕様、施工方法を探るモデル事業を実施するよう提案した。

研究会の村沢義久会長は「一括購入で初期費用は3分の1減らせる」とも述べ、自己負担がなくなる可能性もあると強調した。
...(C)朝日新聞

知事の公約実現は困難を極めているようで、その時点では個人負担分をすべて売電で賄えない、つまり自己負担が発生する、という見通しになった。ただ同研究会では、機器の一括購入で初期費用は1/3に減らせる、という見通しを表明。これが実現できれば自己負担分は不要となる見通しとか。

ここで問題になるのは、このプロジェクト実行のための資金だ。一括購入にはかなりの資金が必要になるはずだ。最初の当ブログ記事中の引用記事では、その資金は「金融機関や投資家などから調達した資金」とあるが、それでは資金が集まるまではプロジェクトが先に進まないことになる。その対応として神奈川県知事の考えていることが、朝日新聞サイトの6月27日記事「ソーラーパネル設置、1千億円の県債検討 神奈川県」だ。次のとおりだ。

太陽光発電の普及を進めるため、神奈川県が住宅用のソーラーパネル設置費用として1千億円の県債発行を検討していることが26日分かった。黒岩祐治知事らが出席し、横浜市内で開かれた「太陽経済かながわ会議」の討論の中で明らかになった。

公債発行には様々な制限がある。さらに県は多額の借金を抱えており、県議会の承認も容易ではない。それでも県債発行を検討するのは、黒岩知事の「夏までに5万~15万戸分の太陽光パネルの設置」の公約実現が難航しているためだ。

県債は、1戸当たりの住宅のソーラーパネル設置費用200万円を5万戸分に充てる。希望する県民の住宅に無料で取り付け、売電収入は県の収入とする構想。パネル設置の経済効果で税収も増えて15~20年で償還できると見込んでいる。

この日の討論会では、黒岩知事のブレーンで、太陽経済の会の山崎養世代表理事が「(電力会社が)電気を買ってくれる。これほど返済確実性のある県債はない」と強調。元東大総長で三菱総合研究所の小宮山宏理事長は、新築の住宅に太陽光パネルの設置を義務づける条例制定を提言した。
...(C)朝日新聞

公約の早急な実現のため、1千億円にものぼる県債を検討している、とのことだ。神奈川県は多額の借金を抱えているため1千億円もの県債の承認を議会から得ることは大変のようだ。ただ、売電益、ならびに「パネル設置の経済効果で税収も増える」ことで、15~20年で設置費用は償還できる見通しを表明し、議会の理解を得たい模様だ。

太陽光発電の機器の価格はどんどん下がっていること、全量買取制度も見通しが立っていることから、償却期間はもっと短いのではないか、と思う。15~20年では長すぎ、それでは議会の承認は苦しいのでは、と予想する。

ただ、脱原発の一時でも早い実現のため、このプロジェクトは是非成功してもらいたい。

太陽光発電とEVの蓄電池の発電システム実験

2011年07月20日(水)

朝日新聞サイトの7月19日付、日刊工業新聞記事「ドコモ、EV+太陽光電池で家庭の電力71%自給に成功」から一部を引用する。

NTTドコモは企業連合体(コンソーシアム)で進めている太陽光パネルと電気自動車(EV)の蓄電池(バッテリー)を組み合わせた発電システムで、一般家庭における年間電力消費量のうち71%の自給に成功した。情報通信技術(ICT)を用いて、太陽光で発電した電力を効率的に充放電制御した。ドコモは通信規格の策定を進めて、スマートグリッド(次世代送電網)分野の事業化に向けて弾みをつける。

横浜市で進めている実証実験では約132平方メートル規模、太陽光発電の実装平均値が1時間当たり3・5―4キロワットの実証棟を使用した。関東地域の4人家族を想定した家庭内総負荷データを用いて、EVのバッテリーが実際に使える電池容量を示すSOC値で50%という条件の下、前年度の日照時間からシミュレーションを行った。

その結果、太陽光パネルとEV蓄電池を組み合わせたシステムで71%の自給率に達した。ドコモはEVを週末だけ使う利用者も多いと想定している。その場合、家庭に回せる電力が増えるため、より一層、自給率を向上できると見ている。ドコモは今後、EVと確実に通信できる通信規格の策定を進めていく。

ドコモは現在、総務省の「ネットワーク統合制御システム標準化等推進事業」に代表幹事として参画。NECや積水ハウス、日産自動車などとともに、横浜市の実証棟で電力会社からの買電を減らす実証実験を行っている。安定した通信を提供するフェムトセル(小型基地局)とICTを組み合わせて電力の充電と放電を制御し、家庭内の消費電力を抑えようとしている。

通信大手ではKDDIが東芝や三菱自動車など10社と共同で家庭用エネルギー管理システム(HEMS)の立ち上げを推進。通信会社のICT技術を電力制御に活用する試みを進めている。(C)日刊工業新聞

NTTドコモを幹事会社とする研究グループの横浜市での実証実験の話題だ。これは、太陽光発電と電気自動車(EV)の蓄電池を組み合わせた発電システムで一般家庭の電力をどこまで賄えるか、という実験だ。この実験では、一般家庭の家屋とほぼ同じ規模の家のサイズ、電力使用量、家族構成で行った。

太陽光発電の発電を通信により制御して蓄電池に効率良く充電・放電させる、という内容なので、これはスマートグリッドの実験、とも言える。結果は、年間電力消費量の約71%の自給に成功した、とのことだ。

蓄電池として電気自動車(EV)の蓄電池を使用する、という点が他のスマートグリッドの実験と異なり目新しい。電気自動車(EV)の先進国日本ならでは、と思うが実はこれは米国でのスマートグリッドでは当初から想定されていた。

それはともかく、この方式では電気自動車(EV)や太陽光発電設備との通信による制御が不可欠だ。その通信技術の規格策定の思惑、つまり規格の主体となる思惑から、通信大手のNTTドコモを中心とするグループによる実験となったのだろう。

このスマートグリッドや、家庭内での電力コントロールで、ますます通信の重要性は増すが、その規格作りがNTTドコモのような一民間企業なのは少々疑問だ。


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