海外 | 燦燦太陽光発電.エコ

カテゴリー:海外

米国のメガソーラー

2011年08月18日(木)

日刊工業新聞サイトの8月12日記事「ユーラスエナジー、米カリフォルニアでメガソーラー稼働-総出力は 4万5000KW」から一部を引用する。

ユーラスエナジーホールディングス(東京都港区...)は、米国カリフォルニア州で大規模太陽光発電所(メガソーラー)の稼働を始めた。総出力は同州最大の4万5000キロワット、米国内でも第2位の規模としている。ユーラスエナジーグループにとっても、米国では初のメガソーラー事業。総事業費は約2億2000万ドル(約172億円)。米国の大手卸電力会社のNRGグループとの共同事業で、事業資金は折半した。敷地面積は200ヘクタールで、シャープ製の薄膜シリコン型ソーラーパネルを約45万枚設置。発電した電力は同州最大の電力会社であるパシフィック・ガス・アンド・エレクトリック・カンパニーに20年間販売する。...(C)日刊工業新聞

ユーラスエナジーが米国でメガソーラーの稼動を開始、というニュースだ。ユーラスエナジーといえばこのブログで話題にしたばかりだ。8月3日付け記事「東電子会社が北海道にメガソーラーを計画」で、北海道白糠町に出力約21メガワットのメガソーラーを計画している会社が今日話題のユーラスエナジーだ。

この会社は、米国カリフォルニア州で出力45メガワットものメガソーラーの稼動を開始した。画像によれば、荒涼たる土地に設置されているようだ。この出力は世界的にもかなり大きく、米国で第2位の規模だ。

この出力を得るために必要な太陽光パネルは約45万枚とのこと。ということは、割り算をすると、太陽光パネル1枚当たりの出力は0.1キロワットとなる。通常の結晶型シリコン系の太陽光パネル1枚の出力が約0.2キロワットなので、このメガソーラーに使用されている太陽光パネルはその半分の能力、ということになる。薄膜系の太陽電池による太陽光パネルと予想できるが、良く記事を読むと、やはり、シャープ製の薄膜シリコン型の太陽光パネルであることがわかる。

建設費用は約2億2000万ドル(約172億円)とのこと。出力は4万5千キロワットだから、計算すると、1キロワット当たりの建設費は約38万円となる。これだけ大規模になると結構安く建設できるものだ。

高い変換効率の太陽電池の太陽光発電所

2011年07月12日(火)

朝日新聞サイトの7月12日記事「サウジに原発並み太陽光発電所 東大、シャープなど計画」から一部を引用。

東京大学やシャープなどが、サウジアラビアの砂漠で大規模な太陽光発電システムの実証実験に乗り出す。原子力発電所1基分にあたる100万キロワットの出力容量を持つ発電所を5年後をめどに完成させ、同国の主力エネルギー源としての活用を目指す。

変換効率の低さが課題だった太陽光発電で、今回の実証実験では効率の高い発電装置を導入。従来よりも規模を格段に大きくすることで、原子力発電に見劣りのしない主要なエネルギー源として存在感を高められるかが注目される。

東大は来月、原子力と自然エネルギー政策を統括する政府系の研究機関「アブドラ国王原子力・再生可能エネルギー都市(KACARE)」と覚書を締結。シャープやプラント大手の日揮などが技術協力する。

東大とシャープはこの分野で以前から共同研究に取り組み、エネルギーを電力に変える変換効率で世界最高水準の42.1%を集光型の発電装置で達成した。(C)朝日新聞

サウジアラビアに出力100万キロワットの巨大な太陽光発電所が建設される。100万キロワットといえば1000メガワット、つまり1ギガワットだ。世界的にみてもこの規模の太陽光発電所はほとんど無いはずだ。これを建設するのは東京大学、シャープ等で、実証実験の位置付けのようだ。

この規模は原子力発電所1基分に相当する。これを実現するため、極めて変換効率の高い太陽電池を使用し、集光型とするようだ。

イメージ図を見ると、多くの鏡が真ん中右のタワー上部へ集光しているように見える。残念ながらその上部は描かれていないのでよくわからないが、ある面積を持った領域がありそこに高い変換効率の太陽電池が設置されているのだろうか。

また図左側の6枚のパネルは、その中にフレネルレンズが組み込まれているように見える。これは集光型の太陽電池パネルによくある形態で、レンズの集光部分に小さく高効率の太陽電池が設置されているはずだ。

上記引用記事によれば、東大とシャープはこの集光型太陽電池で変換効率42.1%を達成している、とのこと。これは高品質の単結晶シリコン型太陽電池の変換効率の約2倍にのぼる、信じられないほどの高い数字なのだ。

かつてはトップシェアだったシャープさん、このような高変換効率の独自技術で世界に勝負しよう、という作戦なのだろう。

三洋電機がHIT太陽電池を納入した大規模太陽光発電所が完成

2011年07月07日(木)

三洋電機サイトの7月1日ニュースリリース記事「HIT太陽電池モジュール搭載システムとして世界最大 イタリア南東部に大規模太陽光発電所が完成」から。

三洋電機のHIT※1太陽電池が採用された、イタリア南東部(プーリア州 ブリンディジ県)の大規模太陽光発電所が、このほど、完成しました。

本大規模太陽光発電所は、高い発電効率を持つHIT太陽電池モジュール(HIT-235HDE4)が32,202枚搭載(約7.6MW分)された、 HIT太陽電池の納入案件としては、世界最大のシステムとなります。また、発電量を増大させるためにトラッキング(太陽追尾の駆動式架台)が設置されており、トラッキングシステムの太陽光発電所としては、欧州最大規模を誇ります。


この太陽光発電所建設プロジェクトは、ドイツ銀行資産運用部門が主導するコンソーシアムにより実現したもので、長期の投資効果を重視し、 HIT太陽電池の設置面積当たりの発電量の多さと品質の高さが、採用の決め手となりました。発電効率の高さから小・中規模システムを中心に強い競争力を誇るHIT太陽電池が、今回の大規模太陽光発電所に採用されたことで、大規模システムにおいてもHIT太陽電池に優位性のあることが認められたことになります。
...

※1
HITは三洋電機株式会社の登録商標であり、オリジナル技術です。(C)三洋電機

このブログの2010年5月28日記事「三洋電機はイタリアの大規模太陽光発電所にHIT納入」に、イタリアの大規模太陽光発電所に三洋電機が出力7567キロワットの太陽電池を納入する話題を書いた。今日の引用記事によれば、そのイタリア南東部(プーリア州 ブリンディジ県)の大規模太陽光発電所が完成した。出力、そして納入した太陽光パネル枚数3万2202枚に変更は無い。全体図のとおりだ。

前回ブログ記事に無かった新たな情報として、この大規模太陽光発電所は太陽追尾式ということだ。この太陽追尾式としては欧州最大規模の太陽光発電所とのことだ。太陽追尾式の太陽光発電は太陽の向きにあわせて太陽光パネルの向きを変えるので、発電効率が少し良くなる。

そもそも三洋電機お家芸のHIT太陽電池は、変換効率が大変高い。出力も太陽光パネル1枚当たり0.23キロワットと、通常の単結晶シリコン型太陽電池の0.2キロワットよりも高い。(このHIT太陽電池欲しさにパナソニックは三洋電機を吸収合併した。)

この変換効率の高さ故に、価格は少々高い。なので、このHIT太陽電池は日本の家屋の屋根のように、設置面積が限られた場所で高い出力を得るための太陽電池、太陽光パネル、と考えられてきた。そして逆に、設置面積が非常に広い大規模太陽光発電所には変換効率は低いが価格の安い太陽光パネルを設置するのが常識だった。しかし、今回のイタリアの大規模太陽光発電所では、変換効率が高く(価格も割高の)HIT太陽電池が採用された。これは、前回ブログ記事にも、上記引用記事にもあるとおり、電力ビジネスなので高効率が決めてとなってHITが採用された、ということだ。この実績をもって、上記引用記事にあるとおり、三洋電機は小・中規模だけでなく大規模太陽光発電まで競争力のあることが証明されたことになる。

韓国のCIS太陽電池の新しい工場

2011年04月21日(木)

このブログの前回記事(4月19日)CIS太陽電池の世界最大級工場は、宮崎に建設されたCIS太陽電池の世界最大級の製造工場の話題だった。その会社はフロンティアで、生産能力は年900メガワット、設備投資額は1千億円、とのことだった。

話のついでに、CIS太陽電池の製造工場の話題の続編だ。今度はお隣の韓国。韓国の聯合ニュース日本語サイトの4月15日記事「現代重工業、大規模な薄膜太陽電池工場を建設」から一部を引用する。

忠清北道は15日、現代重工業とフランスのガラス大手・サンゴバンの合弁会社の薄膜太陽電池工場が同道内に建設されると明らかにした。

同道によると、工場の総工事費は4400億ウォン(約339億円)で、CIGS(銅、インジウム、ガリウム、セレン)の薄膜型薄膜太陽電池の生産ラインを導入する。同社は市場の状況を見極め、2015年までに生産規模を年産40万キロワットまで拡大する方針だ。
...(C)聯合ニュース

韓国の忠清北道に建設予定の工場で製造されるのは、CIS太陽電池にガリウムを加えたCIGS太陽電池だ。建設するのは、韓国の現代重工業とフランスのサンゴバンの合弁会社、とのこと。サン・ゴバンは日本語サイトのとおり、ガラス製造会社だ。この会社は太陽光発電用ガラスを製造しているため合弁会社を設立したのだろう。

この合弁会社の工場の生産能力は、年40万キロワット、ということは、400メガワットだ。また総工事費は、約339億円とのこと。

前回記事のフロンティアと比較すると、次のとおりだ。
(1)フロンティア]
 生産能力:年900メガワット
 費用: 1000億円

(2)韓国現代重工業とフランスのサンゴバンの合弁会社
 生産能力:年400メガワット
 費用: 339億円

これを見ても、フロンティアの新工場の規模が非常に大きく、世界最大級と謳われているのも理解できる。

バングラデシュで太陽光発電普及を目指すグラミン・シャクティ

2011年04月13日(水)

4月12日のCNNサイト記事「バングラデシュの村で太陽光発電普及、電力問題に対応」から一部を引用。

深刻な電力問題を抱えるバングラデシュで、各地の村に太陽光発電を普及させるプロジェクトが進んでいる。

同国では人口1億6200万人のうち半数近くに電気が行き渡っていない。そうした人たちに快適な生活を営んでもらおうと、非営利企業のグラミンシャクティが太陽光発電の推進に乗り出した。
...
ただし太陽光発電パネル導入にかかる費用は約300ドルと、バングラデシュ人の平均年収の約半分にも達する。そこでグラミンシャクティは、貧困層向けに無担保で少額を融資するマイクロクレジットの制度を活用、利用者が全額を一括で払わずに済むようにした。

民家だけでなく事業所でも太陽光発電を利用するところが増えた。それによって働ける時間が長くなり、利益を上げている事業所もある。村人たちの起業家精神にも火が付いた。電力を貸し出す事業や携帯電話の有料充電サービスに乗り出した人もいる。

グラミンシャクティは1996年のプロジェクト開始以来、これまでに4万の村で55万世帯に太陽光発電を導入している。 (C)CNN

バングラデシュは人口約1億6200万人。日本より多いのだ。その半数近くに電気が来ていない現状だ。そこで太陽光発電を普及するため、非営利企業のグラミンシャクティがプロジェクトを開始した。

バングラデシュ、グラミンと聞くと、ノーベル賞を受賞した「グラミン銀行」を思い出す。そう、今回のグラミンシャクティはグラミン・ファミリーの一員であり、Wikipediaによれば次のとおりだ。

グラミン・シャクティは、再生可能なエネルギー技術をバングラデシュの農村地帯に促進、開発させるために1996年に設立された非営利企業。元々はグラミン・フォンの携帯電話に電気を供給する必要から考案された。現在は太陽電池・バッテリー・風力発電・バイオマス装置などの開発・提供を行っている。それらの再生可能エネルギーを使ったテレビや、携帯電話のユニットなどで収益を得るようにしたり、技術トレーニングで保守整備などを行えるようにもしている。(C)Wikipedia

太陽光発電のみならず、再生可能エネルギーの普及のための非営利企業だ。

今回の記事の太陽光発電システムは、約300ドル。非常に安い。ということは、日本で想像される太陽光発電システムではなく、太陽光パネルと電圧維持の装置程度だろう。

この300ドルは安いが、同国の年収の約半分に匹敵する金額とのこと。一括では払えないため、「貧困層向けに無担保で少額を融資するマイクロクレジットの制度を活用」と記事には書いてある。この「マイクロクレジット」こそ、グラミン銀行がノーベル賞を受賞したメインとなる仕組みだ。マイクロクレジットは次のようにWikipediaで定義されている。

マイクロクレジット(Microcredit)は失業者や十分な資金のない起業家、または貧困状態にあり融資可能でない(商業銀行からの融資を受けられない)人々を対象とする非常に小額の融資(ローン、クレジット)である。これらの人々は担保となるものや安定的な雇用、検証可能な信用情報を持たず、通常のクレジットを利用するための最低条件にさえ達しない。
...
マイクロクレジットはバングラデシュのグラミン銀行が起源と言われている画期的な仕組みである。発展途上国にかぎらず、先進国にも増えている。

グラミン銀行の場合は貧窮のどん底にある人々(ほとんどは女性)が個人事業に従事し、収入を得て、貧困を脱することを可能にさせ、成功を収めている。 手法の特色としては、
1. 極少額の返済
2. グループに対して貸付けし、返済を怠るとグループ全体が連帯責任を負う制度
3. 定期的返済
などが主な特色である。(C)Wikipedia

この仕組みを考えて実行に移したムハマド・ユヌス氏(グラミン銀行総裁、経済学者)に敬意を表する。


QLOOK ANALYTICS