2012年3月 | 燦燦太陽光発電.エコ

2012年3月

豊岡市のメガソーラー

2012年03月02日(金)

一昨日(2月29日)、当サイトをリニューアルしました。デザインを大幅に変更(2カラムを3カラムに変更)し、全記事一覧ページや県別一覧ページを新設しました。今後とも当ブログをよろしくお願い申し上げます。

さて今日の話題は、当ブログの前回記事豊岡市のエコポイント制度に続いてまた豊岡市の話題だ。毎日新聞サイト但馬版の2月25日記事「豊岡市:太陽光発電所を整備、メガソーラー実現へ 日高で来春操業 /兵庫」から一部を引用する。

豊岡市は来年度、太陽光発電所を同市日高町山宮に整備する。年間日照時間が神戸市の7割という不利な条件を抱える豊岡だが、中貝宗治市長は「日本全体が再生可能エネルギーの導入を進める中、条件が不利だからといって環境都市を目指す豊岡が取り組まないわけにはいかない。むしろ技術開発などを進め、不利な条件を克服して採算が取れる事業にする先例をつくりたい」と話している。

来年度は第1期整備で、山宮地区の使われていないグラウンドに約4500枚、出力計680キロワットの太陽電池パネルを設置する。来春操業を開始する。2013年度以降、隣接するスキー場跡地に第2期整備をし、合わせて出力1000キロワットのメガソーラー(大規模太陽光発電所)にする。

立地条件は厳しい。神戸海洋気象台によると、豊岡市の年間日照時間は昨年1465時間と神戸市(2104時間)の約7割。

曇りでも発電できるが、市の予測によると、第1期設備の年間発電量は61万8000キロワット時(一般家庭約200世帯分)。同規模施設の全国平均の9割にとどまる。降雪対策のため、太陽光パネルを高さ90センチの台上に載せるなど建設費も割高になる。

来年度予算案に盛り込まれた第1期建設費は約3億3000万円。さらに今後、メンテナンス費用などが数千万円かかる。

現在未定の7月以降の売電価格を1キロワット時当たり35円と低めに設定すると、年間利益は約1600万円。施設費を回収するのに20年以上かかる試算になっている。

太陽光発電事業は、電力の全量買い取りを電力大手に義務づける再生可能エネルギー固定価格買い取り法が成立し、7月から制度がスタートすることをにらみ、全国の自治体や企業が次々に参入している。(C)毎日新聞

豊岡市がメガソーラーを計画している。第1期は出力680キロワットで来年2013年春稼動予定、その後に第2期工事を予定し、最終的に合計出力1000キロワット、つまり1メガワットのメガソーラーとなる。

このメガソーラーには大きな問題がある。それは、同市が積雪地帯ということだ。年間日照時間は神戸市の約7割にしかならない。第1期の出力は680キロワットだが、通常ならこの出力の年間発電量は68万キロワット時程度、日照が良ければ70万キロワット時は固い。しかし同市の場合、年間発電量予測は61万8000キロワットと、やはり低い数字となってしまう。

このメガソーラーは、もちろんこの7月からの電力会社による太陽光発電の全量買取の開始により利益を得ることを目論んでいる。しかし日照が弱いと設備投資の元を取るまで時間がかかってしまう。

この施設の第1期の建設費は約3億3000万円で、メンテ費用にさらに数千万円が必要となる。もし売電価格を低めの1キロワット時当たり35円と仮定すると、年間利益は約1600万円となり、費用の回収に20年以上かかる、とのことだ。

この費用回収期間をもっと短くする特効薬がある。それは、建設費を安くすることだ。第1期の出力680キロワットに要する建設費3億3000万円なので、割り算をすると、1キロワット当たりの建設費は約48万5千円だ。これは一般家庭並みで、高いと言わざるを得ない。メガソーラーなのだから、スケールメリットで安くなるはずだ。恐らく1キロワット当たり40万円を少し切る程度まで可能なはず。このブログでも今までに何回となく指摘したことだが、自治体が太陽光発電設備を建設するとその費用はなぜか非常に高くなる。地元業者との癒着とははっきりとは言い切れないが、その問題が今回にも存在しているように思う。

都市ガス会社が太陽光発電ビジネス

2012年03月05日(月)

西日本新聞サイトの3月1日記事「西部ガスがメガソーラー 九州3ヵ所 業界初参入へ」から一部を引用する。

地場都市ガス最大手の西部ガス(福岡市)は29日、メガソーラー(出力千キロワット以上の大規模太陽光発電所)事業に参入すると発表した。北九州市若松区と福岡県大牟田市、長崎市の自社遊休地に4月以降、太陽光パネル設備を同時期に着工、7月1日に運転開始する予定。出力は合計3千キロワット。都市ガス業界で同事業参入を決めたのは全国初で、発電設備の増強や太陽光以外の再生可能エネルギー発電の参入も検討する。
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出力は北九州市で1500キロワット、大牟田市で千キロワット、長崎市で500キロワット。いずれも西部ガスと同子会社の都市ガス工場敷地内の遊休地に太陽光パネルを置く。一般家庭計800-900世帯をまかなう規模。
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発電した電気は九州電力に売る。政府は買い取り価格をまだ決めていないが、敷地がいずれも造成済みで送電線も近いため、低コストで事業化できるとみている。

2013年度以降は、他社用地でもメガソーラーを建設。北九州市と長崎市の工場は14年秋以降に廃止・設備縮小を予定しているため、太陽光パネル増強も検討する。

会見した西部ガスの川原道憲取締役は「競争激化で、早くしないと(事業開始が)順番待ちになるため、早期参入を決断した」と語った。同社は都市ガスで熱と電気をつくる設備を販売しているが、本格的な電力事業は行っていなかった。(C)西日本新聞

都市ガス大手の西部ガス(福岡市)が太陽光発電ビジネスに参入した。同社は地場都市ガス会社としては最大手、とのこと。都市ガス業界で太陽光発電ビジネスに参入したのは同社が初めてだ。

西部ガスのメガソーラー建設予定地 (C)西日本新聞

同社の建設するメガソーラーは3箇所で、合計出力は3000キロワット、つまり3メガワットだ。場所は左図のとおりで、北九州市に1500キロワット、大牟田市に1000キロワット、長崎市に500キロワット、となっている。各々の土地は、同社または子会社の工場敷地内のの遊休地だ。

太陽光発電ビジネスでは土地をできるだけ安く取得することが重要だが、この場合は敷地が既に造成済みなので取得・整備費は不要。かつ、送電線も近いためそのコストも安くできるため、全体として低コストで事業化可、との判断だ。なお来年度以降は、さらに太陽光パネルを増強して出力アップをはかるようだ。

このように、太陽光発電とはほとんど無縁だった会社が同発電ビジネスに参入する話題は今後も続くだろう。ただ、引用記事最後にあるとおり、競争は既に激化している模様だ。


下水処理場に太陽光発電

2012年03月08日(木)

信濃毎日新聞サイトの3月6日記事「諏訪湖流域下水道で太陽光パネル設置検討へ 」から一部を引用する。

(長野)県は5日、県有施設の屋根などを活用し、太陽光発電施設を設置・売電する民間事業を誘致する来年度事業で、諏訪市豊田の諏訪湖流域下水道豊田終末処理場をモデル施設に、太陽光パネルが設置できるかなどを検討すると明らかにした。早ければ来年度中に設置事業者を募る考えだ。

同事業は、7月に始まる太陽光など再生可能エネルギー固定買い取り制度を追い風に、市民が出資する発電事業者が複数の県有施設に太陽光パネルを設置して売電する「分散型メガソーラー構想」(県温暖化対策課)。来年度は、同処理場の水処理施設の上に広がる約3ヘクタールの緑地の耐荷重強度などを調べ、太陽光パネルを何枚程度設置できるかを検討。同課は「まとまった活用スペースがあり、設置可能性が高い」としている。

県は来年度当初予算案に調査委託費509万円を計上。諏訪地域の県立高校や県諏訪合同庁舎などでの調査も考えている。5日の県会環境委員会で明らかにした。

太陽光発電の事業者誘致で県は、施設の目的外使用を制約している関連法の緩和や、税制・金融上の支援が受けられる内閣府の総合特区制度の申請も視野に入れている。(C)信濃毎日新聞

長野県は、太陽光発電ビジネス事業を誘致する検討を始めた。具体的には、下水処理場に太陽光発電パネルが設置できるかどうかの検討だ。そのための調査費約500万円を予算計上した。

諏訪湖流域下水道豊田終末処理場 (C)信濃毎日新聞

場所は、諏訪市豊田の諏訪湖流域下水道豊田終末処理場。左の画像のとおりで、水処理施設の上に約3ヘクタールの緑地が広がっている。太陽光パネルと架台の重みに同施設が耐えられるかの耐荷重強度の調査を行う、としている。その結果により何枚の太陽光パネルが設置できるかが決定でき、そうすると出力が決定できる。

また県は、この下水処理場以外にも、県立高校や県合同調査への太陽光パネルの設置も検討しているとのことだ。

この推進のためには、施設の目的外使用を禁止している関連法の緩和も必要になるようだ。そのため、いわゆる特区の申請も検討している。このあたり、各自治体がいちいち特区申請ではなかなか話が進まないので、自然エネルギーによる発電関連は目的外使用を緩和するよう、国が法整備を進めるべきだろう。


米子市にメガソーラー

2012年03月12日(月)

日本海新聞サイトの3月9日記事「ソフトバンクが三井物産と提携 メガソーラー計画」から一部を引用する。

メガソーラー建設候補地に鳥取県米子市大崎、葭津にまたがる崎津地区(約50ヘクタール)を選定しているソフトバンクグループが、三井物産との提携により、同地区でのメガソーラー事業を目指していることが8日、分かった。事業費は約100億円。2013年夏の稼働開始を目標に準備を進める。
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崎津地区のメガソーラーの最大出力は、一般家庭約8千世帯分の年間消費電力量に相当する3万キロワット。SBエナジーが既に建設を発表した京都市などのメガソーラーの10倍以上の規模となる。

ソフトバンク広報室は「13年夏には稼働させたいので(自然エネルギー固定価格買い取り制度の)買い取り価格などが決まり次第、なるべく早く事業に着手したい。中国電力とも協議を進めている最中」としている。

崎津地区の土地は、県企業局と県住宅供給公社、米子市土地開発公社が所有しており、同室は「土地に関しては賃貸借契約を結ぶことになる」と話す。
...(C)日本海新聞

鳥取県米子市のメガソーラーの話題だ。このブログでは鳥取県の太陽光発電についてはあまり話題はなく、今年1月28日記事「鳥取県日南町の太陽光発電」で記事にした程度だ。その出力は引用記事からはあいまいだが小規模のものだった。今日話題の米子市のメガソーラーは、出力がなんと3万キロワット、ということは30メガワットだ。日本のメガソーラーとしては最大規模と言える。

この米子市のメガソーラーを建設するのは、ソフトバンクと三井物産。ソフトバンクは日本全国にメガソーラーの建設を大分前に発表したがなかなか計画は進まないようで、先日京都市などへの建設が初めて発表されたばかりだ。それを比べてもこの米子市のそれは10倍ほど大きな太陽光発電所だ。

この能力のメガソーラーを建設するのに必要な土地の広さは約50ヘクタール。同市にある県有地を貸すことになるようだ。

このための建設費はなんと約100億円と、壮大な規模だ。出力は3万キロワットだから、割り算をすると、出力1キロワット当たりの建設費は約33万円となり、最近の日本におけるメガソーラー建設費としては順当な数字だ。

ソフトバンクが日本全国にメガソーラーを建設する計画はどの程度実現するか少々疑っていたが、やっと本腰が入ったようで、将来性に希望が持てる状況になってきたと思う。

水俣市の太陽光発電

2012年03月15日(木)

今日は水俣市の話題。熊本日日新聞サイトの3月14日記事「水俣市、水源地に太陽光発電 県内自治体で最大」から一部を引用する。

水俣市は14日、同市古城の「第1水源地」で太陽光発電システムの稼働を始めた。敷地内に縦1メートル、横1・5メートルのパネル420枚を並べて整備。最大出力約100キロワットで、県内自治体では最大規模。

水源地の電源確保と二酸化炭素(CO2)削減が目的。年間発電量は約10万8千キロワット時を見込み、同水源地の消費電力の25%を賄う。CO2削減量は年間約40トン。

同水源地は市内7カ所の中で給水規模が最も大きく、給水人口は約7千人。1999年9月には台風による停電で断水した。太陽光発電が稼働すれば、停電時も送水ポンプや浄水設備を動かすことができるという。余剰電力は売電。事業費は約8130万円で国が2分の1を補助した。

現地であった通電式には約40人が出席。宮本勝彬市長がボタンを押して完成を祝った。
...(C)熊本日日新聞社

このブログでは以前、水俣市を話題にしたことがある。昨年2011年6月1日記事「水俣市の波力発電」だが、題名のとおり、その記事は太陽光発電ではなかった。今日の記事は、水俣市の水源地に太陽光発電設備が完成したという話題だ。

水俣市の第1水源地に設置された太陽光発電システムのパネル (C)熊本日日新聞

左の画像はその水俣市の第1水源地に設置された太陽光発電システムのパネルだ。出力は約100キロワットと、今となっては大変小さな規模だ。しかし熊本県内の自治体が設置した太陽光発電設備としては県内最大規模、とのことだ。とはいえ、熊本県内にはこのブログの今年1月10日記事「熊本県のメガソーラー」によれば、既に出力3750キロワットのメガソーラーが存在し、またこの6月には出力3300キロワットのメガソーラーも完成するようなので、自治体設置でNo.1といっても少々比較の範囲が狭すぎるかもしれない。

今日話題の水源地の太陽光発電設備は、1m×1.5mの太陽光パネルを420枚設置した、とのことだ。サイズは標準的な太陽光パネルの大きさだ。この枚数で出力が約100キロワットだから、割り算をすると、この太陽光パネル1枚当たりの出力は0.24キロワットとなる。これは結構出力が高い。三洋のHIT太陽電池の太陽光パネルを使用しているのだろうか。

なお事業費は約8130万円とのこと。出力は100キロワットだから、1キロワット当たりの設置費用は約81万円となる。これには驚いた。極めて高い。高すぎる!!。このブログの他の記事を見ればわかるが、メガソーラーになると1キロワットあたり30万円で作れる時代なのだ。このブログで何回となく指摘しているような、自治体が作る太陽光発電設備が極めて高価になってしまう典型的な例だ。上記引用記事を書いた熊本日日新聞は、このような税金の無駄遣いに対しもっと怒る必要がある。



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