2011年9月 | 燦燦太陽光発電.エコ

2011年9月

岡山県のメガソーラー

2011年09月03日(土)

毎日新聞サイトの8月25日記事「メガソーラー:国内最大級 岡山の塩田跡地が候補地に」から一部を引用する。

日本最大の塩田だった岡山県瀬戸内市の錦海(きんかい)塩田跡地(500ヘクタール)が国内最大級のメガソーラー(太陽光発電所)の有力候補地に浮上している。岡山は雨の日数が日本一少なく、太陽光発電の好適地。跡地全域に太陽光パネルを設置すれば、総出力25万キロワットと世界最大になる。通信大手のソフトバンクなど10社以上が地元に建設を打診。再生可能エネルギー固定価格買い取り法が成立すれば、立地の動きは加速しそうだ。

塩田は71年に廃止され、跡地の大半が低湿地で産廃処分場や牧草地しか使い道はなかった。瀬戸内市は塩田跡地のうち産廃処分場跡地80ヘクタールを当面の候補地とし、メガソーラー立地を環境再生のモデルと位置付ける。
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瀬戸内市が当面の候補地とする80ヘクタールに限っても4万~5万キロワットのメガソーラーが建設可能で、市によると、風力発電国内最大手・ユーラスエナジー社やソフトバンクなど10社以上から立地の打診を受けているという。

特に35道府県と自然エネルギー協議会を立ち上げ、全国10カ所以上でメガソーラー建設を計画するソフトバンクは同塩田跡地で単独で80ヘクタールを超える用地確保を目指している。孫正義社長は耕作放棄地などに太陽光パネルを設置する「電田」構想を提唱。同塩田跡地を“西日本最有力の候補地”と位置付ける。

同協議会の会長を務める石井正弘岡山県知事も誘致に積極的だ。所有会社の破産で塩田跡地を取得した瀬戸内市は環境との調和を柱に活用を検討。武久顕也市長は「福島第1原発事故で市民の価値観は自然エネルギー重視に変わっている」と誘致の意義を説明する。(C)毎日新聞

岡山県のメガソーラーについては、このブログの5月10日記事「岡山県の太陽光発電への補助」に少しだけ書いた。その記事では、岡山県が特典を付けてメガソーラーの誘致を開始したこと、候補地は玉野市の塩田跡地、笠岡市の笠岡湾干拓地など、と書いた。

今日の引用記事は、岡山県瀬戸内市の錦海塩田跡地が国内最大級のメガソーラー候補地として浮上している、というニュースだ。その塩田跡地は約500ヘクタール。所有者は瀬戸内市だ。同市は先ずそのうちの80ヘクタールを候補地としている、とのこと。この面積でも4万~5万キロワット、ということは40~50メガワットのメガソーラーが建設可能だそうだ。ソフトバンクなど約10社からメガソーラー建設の打診があるとのこと。特に全国10箇所以上のメガソーラー建設を目論んでいるソフトバンクは、同跡地を"西日本最有力の候補地"と位置付けている。

いままでメガソーラーがほとんど話題にならなかった中国地方、岡山県が西日本のメガソーラーの中心地となる可能性が出てきた。

なお引用記事の最初の方に「再生可能エネルギー固定価格買い取り法が成立すれば、立地の動きは加速しそうだ」とあるが、この法案は先月8月末に成立した。この法案にも問題はあるものの、自然エネルギーによる発電に弾みが付くことは間違いない。ただ、新首相が原発復活をたくらんでいることが強く懸念される。

工場の太陽光発電の効果

2011年09月06日(火)

このブログの4月5日記事「工場に太陽光発電」に、大阪府八尾市のレザックという会社の工場屋根に出力60キロワットの太陽光発電設備が設置され、これは東部大阪府では最大規模、という話題を書いた。今日はその続編となる。朝日新聞サイトの9月6日付けの日刊工業新聞記事「レザック、本社工場の屋上に発電システム-太陽光で電力20%カバー」から一部を引用する。

太陽光発電で工場電力の20%弱をカバー―。レザック(大阪府八尾市...)は、抜き型用自動加工機を製造する本社工場で2月に設けた発電容量60キロワットの太陽光発電システムの節電効果を調べた。月単位で関西電力の使用電力量や太陽光発電量などを集計。その結果2―7月度の検針期間に工場で使った電力量の16―24%を太陽光で賄えたことが分かった。

...太陽光発電の電力は工場の照明や生産設備などに利用する一方、休日の余剰電力は売電する。「コスト節約効果は売電分を含め年間170万円程度」(柳本社長)と試算する。

ただ、「太陽光発電は天候に左右され、曇天になると出力はすぐ5分の1ほどに減る。安定的に使うには蓄電池システムが必要」(同)と指摘。「まず1年間は記録をとり効果を検証し、機械稼働率との関連も調べたい」(同)と、太陽光発電を最適活用できるモノづくりを進める。(C)日刊工業新聞社

同社は2月に太陽光発電設備を設置してからの統計をまとめた。それによると、2~7月度は工場の電力使用量の16~24%を太陽光発電でまかなうことができた。この数字から試算すると、太陽光発電によるコスト節約効果は、売電を含めて年間170万円程度、とのことだ。この設備には総費用4500万円かかっているので、元を取るには約26年程度かかってしまうことになる。想像するより効果が無いように思う。これは、先のブログ記事にも書いたとおり、設置費用4500万円が高価過ぎることが大きな原因だろう。

また実際に使用すると、出力は天候に左右されしてしまい曇天になると出力はすぐに1/5ほどに減ってしまう、ということがわかったそうで、この出力変動は重要な情報だ。そこで同社は、蓄電システムが必要との結論に達しているそうだ。蓄電システムはまだ非常に高価だが、それを導入してまで太陽光エネルギーを最大限利用したいという同社の意欲には感服する。

川越市の太陽光発電設置補助金

2011年09月07日(水)

埼玉県川越市の話題。読売新聞サイト埼玉版9月1日記事「川越市が太陽光発電補助2625万円追加へ」から一部を引用する。

住宅用太陽光発電システムの設置に補助金を交付している川越市で、住民からの補助金申請が急増している。同市は「原発事故の影響などで市民のエコ意識が高まった」と分析。9月1日開会の市議会定例会に、追加の補助金2625万円を盛り込んだ補正予算案を提出する。

同市は1997年、全国2例目となる住宅用太陽光発電への補助金制度を導入し、これまでに計2010件の交付を行った。地球温暖化の原因となる二酸化炭素の削減効果は累計で2521トンに及ぶという。

今年度は300件の補助を想定し、当初予算で2625万円を確保。だが、5月末までに300件近い補助申請が集まった。市は今後さらに申請が増えると見て、補正予算に追加の補助金分を盛り込むことにした。補助は2キロ・ワット以上のシステムを自宅に設置する住民が対象。工事費を1キロ・ワット当たり2万5000円、5キロ・ワット12万5000円まで市が補助する。(C)読売新聞

川越市は今年度当初予算に、太陽光発電設置補助金、約300件として2625万円の予算を計上した。しかし市のホームページ「平成23年度住宅用太陽光発電システム設置事業補助金のご案内」によれば、5月27日に予算枠に達してしまった。

そこで追加の補正予算として、当初予算と同じ、約300件分、2625万円の案を議会に提出する、とのことだ。

引用記事によれば、同市は1997年に全国で2例目となる太陽光発電設置補助金制度の導入とのこと。もう14年も前から太陽光発電の普及に熱心だった市、ということになる。当時の設置費用はどれくらい高価なものだったのだろうか。

一方、上記の市ホームページによれば、昨年度の同市の補助金対象システムを調査したところ、平均出力3.61キロワット、平均設置費用は1キロワットあたり約54万円とのことだ。一般家庭の太陽光発電の出力は当初は3キロワットが多かったが今は4キロワットが主流だ。なので、昨年度平均が3.61キロワットは妥当な数字だ。また1キロワット当たりの設置費用が昨年度は54万円という数字を見て、この数年で急速に価格が下がっている感が証明されたように思う。

ちなみに同市の補助金額は、1キロワットあたり2万5千円、上限は5キロワット、即ち12万5千円だ。この数字はそれほど高くはないが、市町村レベルとしてはいまの平均金額だろう。

北陸電力の太陽光発電所

2011年09月09日(金)

読売新聞サイトの9月7日付け石川県版記事「4800枚に注ぐ太陽の恵み」から一部を引用する。

北陸電力は6日、稼働中の「志賀太陽光発電所」(志賀町若葉台)の外観を報道陣に公開した。同太陽光発電所は昨年11月、本体工事に着手。今年3月12日に営業運転を始めたが、東日本大震災の影響などで公開が遅れていた。同社は富山市でも太陽光発電所を稼働しており、今後、珠洲市と福井県坂井市でも建設を計画する。

志賀太陽光発電所は、約3万平方メートルの敷地に、縦99センチ、横1メートル50の太陽光パネル4815枚が並べられている。日照時間などを考慮した設備の稼働率は11%を想定。年間で約100万キロ・ワット時の発電を見込んでいる。...(C)読売新聞

北陸電力のメガソーラーの話題だ。場所は石川県羽咋郡志賀(しか)町。能登半島西側の町だ。

志賀町といえば、実は北陸電力の唯一の原子力発電所のある町だ。1、2号機の2つがあり、共に沸騰水型軽水炉だ。Wikipediaによれば、恐ろしいことに1号機ではプルサーマルの導入が予定されているそうだ。福島原発事故にもかかわらず、プルトニウムの塊を燃やすつもりだろうか。

話を戻して上記太陽光発電所はこのような外観。0.99m×1.50mのパネルを4815枚使用しているとのことだ。パネル1枚の面積は約1.5平方メートルなので、標準サイズの太陽光パネルだ。もし単結晶シリコン型なら出力は1枚当たり約0・2キロワットなので、それが4815枚ということは、掛け算をすると合計出力は965キロワットと試算できる。

引用記事には出力は書かれていない。年間発電量が約100万キロワット時で、それは稼働率を11%と想定、とある。年間発電量100万キロワットの場合、関東地方なら出力は1000キロワット程度だ。上の試算では965キロワットなので、雪国で日照が少ないので少々少ない、ということだろうか。

一方、年間稼働率約11%を元に試算すると、出力は1038キロワットとなる。約1000キロワットであることには変わりない。

従って、この太陽光発電所の出力は1000キロワット、つまり1メガワット程度と予想できる。メガソーラーと言える、ぎりぎりの出力だ。

それにしても太陽光発電は、年間稼働率は10数%なのだ。もっともっと効率の良い、自然エネルギーによる発電方式があっても良いように思う。

神奈川県知事の太陽光発電設置公約

2011年09月13日(火)

この4月神奈川県知事に当選した黒岩氏には、太陽光発電関連の次のような公約があった。
(1)設置費用なしで家庭に太陽光発電設備を普及させる。
(2)この夏までに5万~15万戸分の太陽光発電設備を設置する。
(3)2015年までに200万戸分の太陽光発電設備を設置する。

この(1)、(2)の実現に困難を極め、この実現のために1千億円もの県債を検討していることを、このブログの7月22日記事「太陽光パネル設置の負担を無くすため県債」に書いた。

今日の話題は、上記(3)の実現が困難となった、という件だ。東京新聞サイトの9月13日記事”太陽光パネル 200万戸分設置 目標後退「20年までに」知事”から一部を引用する。

黒岩祐治知事は十二日に開会した県議会定例会で、二〇一五年までの四年間で、住宅二百万戸分の太陽光発電パネルを設置するという知事選の公約について、目標の達成期限を二〇年に後退させる考えを表明した。
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(太陽光)パネル設置の目標については「同構想を推進する中で、できる限り早期に達成できるよう全力で取り組む」と述べた。

黒岩知事は公約で、今年の夏までに五万~十五万戸分のパネルを設置することを目指していた。しかし、県によると、黒岩知事が就任した四月から八月に設置したパネルは、約八千二百戸分で、本年度一年間の設置は、二万戸分程度となる見通し。

設置戸数は、工場などに設置した業務用分も含む県内全体のパネルの発電力の合計を、一般家庭用パネルの発電力の三・三キロワットで割り算して算出。このため、実際にパネルを設置している住宅戸数は、県が明らかにした数字よりも少ない。(C)東京新聞

上記「(3)2015年までに200万戸分の太陽光発電設備を設置する」の公約は、期限を5年遅らせた、2020年に後退した、というニュースだ。これで太陽光関連の公約すべての実現が困難/遅滞となる。

そして県によれば、4~8月に太陽光発電設備を設置した個数は約8,200戸分とのこと。公約の「(2)の今夏までに5万~15万戸分の太陽光発電設備を設置」には程遠い。そして発表された"約8,200戸"という数字もまやかしで、設置総出力を一般家庭の平均出力である3.3キロワットで割った数字とのこと。この総出力には工場などの業務用も含むため、一般家屋8,200戸、ということではない。一般家屋の数はさらに少なくなる。

知事の理念は大変良いとは思う。しかし元ニュースキャスターが考えていたほど政治の世界は甘くはなかった、ということだ。

とはいえ、原発推進派のドジョウブタが首相になったいま、神奈川県知事には全力を尽くして公約実現に向かって努力してもらいたい。


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