2011年7月 | 燦燦太陽光発電.エコ - 2

2011年7月

日本KFC新店舗の太陽光発電と蓄電システム

2011年07月08日(金)

朝日新聞サイトの7月5日付け日刊工業新聞記事「パナソニック、日本KFCに太陽電池・蓄電システム納入」から一部を引用する。

パナソニックは4日、日本ケンタッキー・フライド・チキン(日本KFC)の環境配慮モデル店舗に太陽光発電システムや蓄電システムなどを納入したと発表した。モデル店舗は江の島店(神奈川県鎌倉市)で18日にオープン。太陽電池と、夜間電力の蓄電によって、ピーク電力のカットにつなげる。江の島店では単結晶系ハイブリッド形の太陽電池モジュールを導入。215ワットが40枚で、年間で約8800キロワット時を発電する。一方、蓄電システムは汎用型のリチウムイオン二次電池をモジュール化したもので、1・6キロワット時の容量が6ユニット。日中のピーク時の補完のほか、災害停電時は照明など特定機器へ供給する。(C)日刊工業新聞

パナソニックは日本ケンタッキー・フライド・チキン(日本KFC)の江の島店に太陽光発電システムや蓄電システムを納品した、というニュースだ。この江の島店はKFCの環境配慮モデル店舗という位置づけで、今月18日にオープン予定だ。

この太陽光発電システムは、出力215ワットの太陽光パネルが40枚とのことなので、合計8.6キロワットとなる。そしてこの太陽光パネルは単結晶系ハイブリッド型の太陽電池、とあるので、もちろんパナソニックが買収した三洋電機のHIT太陽電池だ。この出力8.6キロワットは一般家庭2軒分程度の出力となる。年間発電量は8800キロワット時を想定とのことだが、この数字は出力8.6キロワットから予想される年間発電量にほぼ等しい。

蓄電装置は、リチウムイオン電池。1.6キロワット時のユニットが計6ユニット、という構成だ。計9.6キロワット時となる。この蓄電装置は、日中の電力ピーク時の補完がメイン目的だが、停電時の照明などへの電力供給も行う、とのことだ。

この件について日本KFCはニュースリリース中で次のように書いている。

「KFC江の島店」は、環境に配慮した試みをさらに進めています。その主なものは①外壁を利用した「太陽光発電システム」を採用し年間約8800kWhを発電する予定で空調などに利用します。発電状況などをお伝えするディスプレイも店内に設置します。②また、「蓄電用リチウムイオン電池システム」を利用し、夜間の低需要時に蓄電しピークシフトを行います。災害停電時には、照明や換気扇、非常用コンセントなどへの電力供給も行います。③さらに、デジタルサイネージを設置し、効果的な映像を配信すると同時にメニューなどの印刷物を削減しています。(C)日本KFC

ということで、非常時は非常用コンセントによる電力供給も可能なシステムだ。

このシステムは現在は高価なリチウムイオン蓄電池が9.6キロワット時もの容量であることから、全体とすれば設置にかなり費用のかかったシステムと思われる。外食産業も環境にかなりの費用投下が必要な時代になったようだ。

高い変換効率の太陽電池の太陽光発電所

2011年07月12日(火)

朝日新聞サイトの7月12日記事「サウジに原発並み太陽光発電所 東大、シャープなど計画」から一部を引用。

東京大学やシャープなどが、サウジアラビアの砂漠で大規模な太陽光発電システムの実証実験に乗り出す。原子力発電所1基分にあたる100万キロワットの出力容量を持つ発電所を5年後をめどに完成させ、同国の主力エネルギー源としての活用を目指す。

変換効率の低さが課題だった太陽光発電で、今回の実証実験では効率の高い発電装置を導入。従来よりも規模を格段に大きくすることで、原子力発電に見劣りのしない主要なエネルギー源として存在感を高められるかが注目される。

東大は来月、原子力と自然エネルギー政策を統括する政府系の研究機関「アブドラ国王原子力・再生可能エネルギー都市(KACARE)」と覚書を締結。シャープやプラント大手の日揮などが技術協力する。

東大とシャープはこの分野で以前から共同研究に取り組み、エネルギーを電力に変える変換効率で世界最高水準の42.1%を集光型の発電装置で達成した。(C)朝日新聞

サウジアラビアに出力100万キロワットの巨大な太陽光発電所が建設される。100万キロワットといえば1000メガワット、つまり1ギガワットだ。世界的にみてもこの規模の太陽光発電所はほとんど無いはずだ。これを建設するのは東京大学、シャープ等で、実証実験の位置付けのようだ。

この規模は原子力発電所1基分に相当する。これを実現するため、極めて変換効率の高い太陽電池を使用し、集光型とするようだ。

イメージ図を見ると、多くの鏡が真ん中右のタワー上部へ集光しているように見える。残念ながらその上部は描かれていないのでよくわからないが、ある面積を持った領域がありそこに高い変換効率の太陽電池が設置されているのだろうか。

また図左側の6枚のパネルは、その中にフレネルレンズが組み込まれているように見える。これは集光型の太陽電池パネルによくある形態で、レンズの集光部分に小さく高効率の太陽電池が設置されているはずだ。

上記引用記事によれば、東大とシャープはこの集光型太陽電池で変換効率42.1%を達成している、とのこと。これは高品質の単結晶シリコン型太陽電池の変換効率の約2倍にのぼる、信じられないほどの高い数字なのだ。

かつてはトップシェアだったシャープさん、このような高変換効率の独自技術で世界に勝負しよう、という作戦なのだろう。

瓦と太陽光パネルが一体に

2011年07月13日(水)

今日は淡路島の話題だ。読売新聞サイトの7月6日記事「淡路島の瓦メーカーが太陽光事業」から一部を引用する。

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「近畿セラミックス」(淡路市)は、化成品大手「カネカ」(大阪市)が開発した瓦と一体型のパネル(縦28センチ、横1メートル)を販売している。

表面は強化ガラス製で、近セラ社の平らな形の瓦とともに、屋根に取り付ける。新築住宅向けにセットで販売。昨秋から月5~10棟の注文があり、東日本大震災以降は問い合わせも増えた。営業にも力を入れ、7、8月で計約150棟分を販売するという。

淡路瓦工業組合によると、淡路島内の瓦メーカーの生産量は昨年、約4600万枚と、ピーク時(1994年)の約2億3300万枚から大幅に減少している。

近セラ社の福原幸蔵社長は、「瓦の出荷減を補うのに、太陽光関連事業は期待できる分野の一つだ。成長戦略にうまく取り込みたい」と話す。(C)読売新聞

瓦メーカーが瓦と太陽光パネルが一体になった製品を製造・販売する話題はこのブログの2009年10月24日記事「太陽光パネルと一体の瓦」で書いた。今日の話題もそれと同種の製品だ。

このような製品を瓦メーカーが販売する背景には、瓦の出荷量が減り続けている現状がある。引用記事によれば、淡路島の瓦メーカーの昨年の生産量は、ピークの1994年の約2割にしか過ぎない。瓦を使った和風住宅が現象していることが大きな原因だろう。そこで、瓦に付加価値を付けた製品として太陽光パネルと一体となった製品を開発した、と思われる。

この製品は、瓦と太陽光パネルが一体となることで、継ぎ目がめだたなくなるばかりか、不要な穴あけが減り、ということは太陽光パネル設置による雨漏りの心配もほとんど減少する、という大きなメリットがある。瓦屋根の新築住宅へ太陽光発電設備も同時に設置することを検討している人には有力な選択肢となる製品だろう。

川崎市の大規模太陽光発電所

2011年07月14日(木)

川崎市のメガソーラーの話題。7月6日の朝日新聞サイト記事「国内最大級、川崎に太陽光発電エリア 年内にも」から一部を引用する。

東京電力と川崎市が同市川崎区で建設を進めている浮島太陽光発電所がほぼ完成した。8月から運転を開始する予定だ。近くで建設が進む扇島太陽光発電所(12月完成予定)と合わせた年間の推定発電量は約2千万キロワット時以上となり、年内にも国内最大級の太陽光発電エリアが誕生する。

両発電所に設置される太陽光パネルは合わせて約10万枚。一般家庭約5900世帯分の電力をまかなえる。火力発電所に比べて、年間約9千トンの二酸化炭素(CO2)削減が見込めるという。

川崎市の地球環境推進室では「省エネや節電が叫ばれる中、電気の使い方を考えるきっかけになってくれたら」と話す。(C)朝日新聞

このメガソーラーについては、直近ではこのブログの2010年4月20日記事「川崎市の大規模な太陽光発電所」に書いた。この発電所は浮島と扇島の2箇所に分かれ、合計の出力は20メガワットという、かなり大きな太陽光発電所だ。その2箇所のうち、浮島太陽光発電所がほぼ完成し、8月から運転開始、とのニュースだ。

この浮島太陽光発電所の外観はのとおりだ。全体は長方形で、おおきく4つのエリアに分かれている。そしてすぐ向こうには羽田空港が見えている。飛行機が並んでいるのが小さく写っている。

この2箇所の太陽光発電所の太陽光パネルは合計約10万枚とのこと。それで出力20メガワットなので、太陽光パネル1枚当たりの出力は0.2キロワットとなる。ということは、太陽光パネルの面積は不明だが標準的な単結晶シリコン型の太陽電池による太陽光パネルと思われる。

もうひとつの扇島太陽光発電も今年12月に運転開始の予定だ。東京電力はさらに太陽光発電を進める必要がある。

京セラ工場屋根の太陽光発電

2011年07月15日(金)

今日は福島県の話題。朝日新聞サイトの7月8日記事「節電に新しい太陽光発電/京セラの棚倉工場」から。

節電対策の新太陽光発電システムを採り入れている京セラの福島棚倉工場(棚倉町)で7日、同システムについて地元事業所、報道向けの説明会があった。

同工場棟の屋根に、昨年9月に設置した発電パネル304枚に新たに1526枚を加え、電池容量は194キロワット増えて230キロワットとなり、グループ工場で最大になった。

一般家庭57世帯分の電力量に相当するといい、推定発電量は年間19万5068キロワット時。ピーク時の電力の約8.2%を削減でき、年間86トンの二酸化炭素(CO2)削減効果があるという。
...(C)朝日新聞

京セラ工場の屋根に設置された太陽光パネルの話題だ。場所は福島県棚倉町。地図で調べると、福島原発から南西方向に80Km程度の場所だ。放射能の数値は結構高いと予想される。この工場で働いている人たち、そしてその子供たち、大丈夫だろうか。

この工場には昨年、太陽光パネルが304枚設置されていた。それに1526枚を加えた、とのことだ。出力は、引用記事から計算すると、昨年の段階で36キロワット。今回の増加分は194キロワットだ。

ここで、太陽光パネル1枚当たりの出力を計算してみよう。昨年は304枚で出力36キロワットなので、太陽光パネル1枚当たりの出力は約0.12キロワット。今回の増加分は1526枚で194キロワットなので、1枚当たり約0.13キロワット。ほんの少し、1枚当たりの出力がアップしていることになる。

太陽光パネル1枚の面積は不明だが、もし単結晶シリコン型なら出力は1枚当たり約0.2キロワットなので、この京セラの太陽光パネルはその約6割の能力しかない。恐らく薄膜タイプの太陽電池による太陽光パネルを予想する。

それはともかく、昨年分と合せるとこの工場での太陽光発電出力は計230キロワットとなる。ひとつの工場としてはかなり大きな出力だ。

それから、出力230キロワットあれば、関東地方なら年間発電量は約23万キロワット時程度だが、この工場の年間発電量は約20万キロワット時と、少々少ない。これは、この工場のある福島県棚倉町の日照時間が関東地方よりも少ないことが予想できる。

ちょっとした記事の数字から結構わかることがあるものだ。


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