2011年6月 | 燦燦太陽光発電.エコ

2011年6月

水俣市の波力発電

2011年06月01日(水)

水俣市の話題。朝日新聞サイトの5月28日記事「波力発電の実験開始」から。

八代海の波力による発電の実証実験が27日、水俣市の丸島新港で始まった。波の上下の動きを回転に変えて発電機を動かす仕組みで、起こせる電気は450ワットのランプ2個分余り。再生可能エネルギーの普及や複数の電源を効率的に利用する「スマートグリッド」の構築を目指す市の取り組みの一環だ。

仕組みは、防波堤からワイヤで海側につるした円筒形(直径1メートル、高さ2メートル、重さ1・4トン)の浮きが、波を受けて上下することで発電。実験では、太陽光発電装置(3・36キロワット)や燃料電池(0・75キロワット)と組み合わせて電源にし、プレハブ小屋の中でランプをともす。余った電気は電池に蓄える。発電状況はホームページ(http://61.214.231.171/)で約1カ月間、自由に閲覧できる。事業費は3700万円で、総務省の補助を受けた。 (C)朝日新聞

このブログは太陽光発電がメインだが他の自然エネルギーによる発電についても時々書いている。今日話題の波力発電についても、「大分県の水ノ子島灯台」と「ジャイロで効率アップした波力発電」の2記事を書いている。

Wikipediaの波力発電によれば、2つのタイプがある。

・振動水柱形空気タービン方式
没水部の一部が開放された空気室を水中に設置し、ここから入射した波で空気室内の水面が上下し、上部の空気口に設置した空気タービンが往復空気流で回転する。空気タービンには、往復空気流中で同一方向に回転するウェルズタービンが使用される。

・ジャイロ方式
波の上下動をジャイロにより回転運動に変換する。従来のタービン方式と比較して2倍以上の効率が期待できる。

引用新聞記事の情報からでは、どちらのタイプかは不明である。ただ、ジャイロ方式の方が2倍以上効率が良いとのことであり、最近の設置であるから、おそらくこちらの方式かと思う。

この波力発電装置は、直径1メートル、高さ2メートル、重さ1.4トンというから、海中に設置する装置としては小さい。外観図のとおりだ。

この波力発電の状況については、引用記事中のとおりホームページ(http://61.214.231.171/)で閲覧できる。URLがドメイン名ではく生のIPアドレスということが非常に珍しい。調べたところ、これはOCNのIPアドレスだった。OCNの専用線回線を利用したサイトと思うが、予算不足でドメイン名が取得できなかったのだろうか?.comドメインなら安いところでは1年間800円弱で取得できるのだが。

このサイトを見ると、1枚の画像もどきがトップ画面だ。右クリックすると、このサイトはSilverlightで動くサイトだ。ちょっと珍しい。

このサイトにより、この波力発電は単独の発電システムではなく、「水俣版スマートグリッド」の構成要素の一つであることがわかる。波力発電のほかには、エネファームによる発電、電力会社からの受電、蓄電池による蓄電・放電、そしてもちろん太陽光発電があり、これらすべてでスマートグリッドを構成しているようだ。

この波力発電の規模は極めて小さい。引用記事によれば、出力は450ワットの電灯2つを点灯させるていど、とのことなので、1キロワット弱ということだ。

地方自治体が主体となって波力発電という珍しい発電方式をも含むスマートグリッド実験、という大変珍しい事例と言える。

晴れの国と太陽光発電

2011年06月03日(金)

岡山県は「晴れの国」と呼ばれ日照時間の多い地域だ。そのことはこのブログの5月10日記事「岡山県の太陽光発電への補助」に書いた。岡山が「晴れの国」であることは最新データで証明された、という話題だ。朝日新聞サイトの5月28日の記事”やっぱり「晴れの国」/気象庁最新データ”から一部を引用する。

■気象庁データ更新で証明

「晴れの国おかやま」が、またも証明された。気象庁が10年ぶりに更新したデータで、1日の降水量が1ミリ未満の日数が、全国最多となった。3回連続のトップで、大規模太陽光発電所「メガソーラー」の誘致に弾みがつきそうだ。

気象庁は10年に1度、過去30年間の観測値をもとに、気温や降水量などの平年値を更新しており、18日から1981年~2010年のデータを使っている。

県が、更新された新しい平年値を基に、降水量1ミリ未満の日数の平年値を算出したところ、岡山が276・8日で最多だった。2位は山梨の273・8日、3位は兵庫で271・6日。

また、降水量の平年値は1105・9ミリ(前回1141・0ミリ)、日照時間は2030・7時間(同2009・8時間)となり、順位はそれぞれ3位、14位だった。
...(C)朝日新聞

これは気象庁が10年ぶりに更新したデータによる。「晴れの国」であることの証明手段は日照時間の長さを思い浮かべるが、日照時間では岡山はこの最新データでは14位。全然トップではない。

次に考えるのは降水量の少なさだが、それも一番少ないのではなく、3位。

そこで考えた基準が、「1日の降水量が1mm未満の日数」だ。この基準では1位になる。前回データでも、この基準で全国1位だった。

まあ、完全に「晴れの国」というには若干物足りないが、雨の降る日の少ない県、という風に考えればまあ良いか。

というわけで、この結果は岡山県の大規模太陽光発電の誘致に弾みが付く、とのことだ。

ただ、揚げ足を取るわけではないが、雨の降る日の少ないことが太陽光発電の有利さに結びつくわけではない。太陽光パネルの表面にほこりが積み重なると、太陽光発電の効率は落ちる。そのとき夕立のような強い雨が降れば太陽光パネルの汚れが洗い流されるので、雨がすべて悪いわけではない。太陽光発電の観点からは、発電しない夜間に強い雨の降ることが最も望ましい、ということになる。

太陽光発電と充電装置の「多機能防災システム」

2011年06月06日(月)

今日は徳島の話題。朝日新聞サイトの5月25日記事「電源に早変わり 災害時に本領」から。

普段は夜間照明、災害時には非常用電源――。そんな設備が、あすたむらんど徳島(板野町)、南部防災館(海陽町)、工業技術センター(徳島市雑賀町)の県立3施設に1基ずつ、設置されている。

◆情報表示も/製品化が目標

(徳島)県が三洋電機や徳島大学などと協力して開発を進めている「多機能防災システム」の試作品で、3月に置かれた。この設備は1基につき最大出力63ワットの太陽電池パネル1枚を備え、太陽光発電した電力をリチウムイオン電池に蓄える。昼間はこの電力を使う一方、夜間は商用電源で充電し、LED(発光ダイオード)照明1台、LEDディスプレー1台を発光させる仕組みだ。普段は夜間照明やイベントでの簡易電源に活用し、施設の案内やイベント情報を表示している。

効果を発揮するのが災害などによる停電時で、災害情報を表示したり、携帯電話や充電池を充電する非常用の電源になったりする。あすたむらんど徳島と南部防災館に置かれた設備にはプラグインハイブリッド車の充電用コンセントも備えている。

県新産業戦略課によると、今後、各設備の電力使用量などの検証を行い、製品化を目指すという。課題は費用面で、設置費は3カ所で計約1900万円。用途に合わせて必要のないパーツを外すなどし、経費を抑える工夫が必要という。

同課の田尾幹司課長は「東日本大震災では電力やガソリンが不足し、身動きの取れない被災者が多くいた。災害時の弱点を補うことができるこのシステムを製品化し、全国に広がるように取り組みたい」と話している。(C)朝日新聞

徳島県が三洋電機、徳島大と共同で開発している「多機能防災システム」の主な機能は次のとおりだ。
・日中は太陽光発電によりリチウムイオン電池に充電。
・通常の夜間に商用電源から充電、またLED照明。
・非常時は携帯電話などの充電用。プラグインハイブリッド車の充電用コンセントも使用可。

太陽光パネルは出力63ワットとのことだ。三洋電機に協力してもらっているそうなので、これはHIT太陽電池だろう。大きさは、通常の太陽光パネルの1/4程度と予想する。もしHIT太陽電池ではなく多結晶型なら、通常のサイズの1/3程度だろう。

この装置を県の施設3箇所に設置した。設置費は3箇所で約1900万円。ということは、1箇所約633万円。う~~ん、これは少々高いかもしれない。ただ、これは製品化以前の装置なので、高価なのは当然か。ちょっと驚くのは、引用記事最後に、徳島県がこの装置を製品化して全国販売を計画しているように読めることだ。もしそうなら、かなりコストを抑えないと売れないだろう。このような製品は、リチウムイオン充電機がもっと安くなってから開発したようが良いように思う。

NHK放送局の大規模太陽光発電

2011年06月07日(火)

6月6日付けの朝日新聞サイト日刊工業新聞記事「NHK、ラジオ放送所に太陽光発電」から。

NHK 省エネルギー対策として菖蒲久喜ラジオ放送所(埼玉県久喜市)に大規模太陽光発電所(メガソーラー)を導入する。11年度から2年間で約18億円を投じ、出力2000キロワット級のシステムを整備する計画。日中時など最大発電時には放送所のすべての電力をまかなえるという。計画では太陽光発電パネル約1万枚、設置面積約1万5000平方メートル分を設置する。11年度中に1000キロワット分の整備を完了させる。ラジオ2波の送信に加え、施設の照明や空調などの電力もまかなう。(C)日刊工業新聞

いつも思うのだが、日刊工業新聞の記事はコンパクトに良くまとまっている。今日の記事もそう。冗長な朝日新聞とは比べ物にならない。

さて今日はNHKの太陽光発電に関する話題だ。このブログでは1年半ほど前にNHKの太陽光発電について話題にしたことがある。2009年11月15日記事の「NHK放送センターの太陽光発電システム」だ。その記事によれば、NHKは全国の放送局に2013年度までに年間発電量合計67万キロワット時の太陽光発電設備を設置する予定、とあった。年間発電量67万キロワット時は、出力は約670キロワット程度だ。この計画は2009年度のものだ。

ところが今日の記事によれば、埼玉県久喜市のラジオ放送所に設置される太陽光発電の規模はそれとは別格で、メガソーラーの規模だ。出力はなんと、2000キロワット、つまり2メガワットだ。

その出力に要する太陽光パネルは約1万枚とのこと。出力は2000キロワットだから、割り算をすると、太陽光パネル1枚当たりの出力は0.2キロワットとなる。そしてその太陽光パネルの設置面積合計は約1万5000平方メートルとのことなので、1枚の面積は1.5平方メートルとなる。太陽光パネル1枚の出力も面積も極めて順当な数字なので、標準的な単結晶型太陽電池による太陽光パネルといえよう。

そしてこのメガソーラー設置のための費用は約18億円とのこと。出力は2000キロワットだから割り算をすると、出力1キロワット当たりの設置費用は90万円となる。これは少々高いが、放送に使用するため蓄電装置なども含むのかもしれない。

温泉施設に太陽光発電設置

2011年06月08日(水)

山形新聞サイトの5月29日記事”「花笠の湯」に太陽光発電装置、稼働 尾花沢・徳良湖温泉、温暖化防止対策の一環”から一部を引用する。

尾花沢市の徳良湖温泉「花笠の湯」に太陽光発電装置が設置され、稼働を開始した。年間発電量は約5080キロワットを見込んでおり、館内で使用する電力の一部を賄う。28日、発電量や日照状況などを紹介する表示装置の除幕式が同施設で行われた。

市役所庁舎で雪冷房を運用するなど、同市は地球温暖化防止対策に取り組んでおり、その一環として企画した。総事業費は917万円で、国の公共施設省エネ・グリーン化推進事業の採択を受け、900万円の助成を受けた。昨年11月に着工、今年3月に工事が完了。運転は今月13日に開始した。

施設南側の屋根に180ワットのソーラーパネル30枚を南向きに設置、最大出力は5.4キロワットになる。約5080キロワットの年間発電量は、一般家庭1世帯分の年間使用電力に相当するという。また、館内照明器具の一部を省エネ効果が高い発光ダイオード(LED)照明に交換。合わせて最大で年間5.3 トンの二酸化炭素(CO2)削減効果が見込まれる。市は太陽光量や発電量などのデータを取りながら、太陽光発電やLED照明の有効性などを検証していく。
...(C)山形新聞

温泉の施設に太陽光発電設備が設置された話題だ。温泉に太陽光発電設備が設置された話題は意外に少なく、このブログでは初めてだ。さてその温泉は、山形県尾花沢市の徳良湖温泉「花笠の湯」だ。この「花笠の湯」は、市の第3セクターが運営する大型温泉施設だ。どのような施設かはそのホームページのとおり。

設置された太陽光発電設備の出力は5.4キロワット。大きめの住宅用程度の出力だ。年間発電量は約5080キロワット時の予想で、若干少ないのは雪国のせいだ。

太陽光パネルは、1枚当たり出力180ワットを30枚とのこと。太陽光パネル1枚の出力が180ワットということは、多結晶型の太陽光パネルだろう。

この総事業費は917万円で、国の助成金がそのほとんどの900万円。いままでこのブログで何回も書いてきたが、国の助成を受けた自治体の太陽光発電設備の設置費用は非常に高価であることが多い。今回もその例だ。出力5.4キロワットなら、一般家庭用を想定したとき、1キロワット当たり設置費用を少し高めの70万円としても、378万円だ。400万円弱で可能なはずだ。なぜ倍以上の917万円になるのだろうか。引用記事では、照明をLEDに交換とあるので、それもこの補助金の対象かもしれない。しかしLED照明器具交換が太陽光発電設置より高価とは信じられない。またもや国の補助金、つまり我々の支払った税金が無駄に使われたように思う。


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