2011年5月 | 燦燦太陽光発電.エコ - 2

2011年5月

土地改良区の事務所の太陽光発電

2011年05月13日(金)

今日は群馬県渋川市の話題。上毛新聞サイトの5月10日記事「太陽光発電で電力半分に・渋川」から一部を引用する。

赤城西麓土地改良区(加藤秀光理事長)は、渋川市赤城町の事務所に太陽光発電設備を設置した。年間約2万1000キロワットの発電を見込んでおり、同事務所で使用する電力の半分程度をまかなう。
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同事務所の屋根に太陽電池モジュール114枚を設置。発電量や過去の記録・データなどは監視室内のパソコンモニターで確認、表示できる。(C)上毛新聞

上毛新聞のドメイン名は面白い。raijin.com だ。raijinつまり「雷神」。雷の名所、群馬県ならではのユニークなドメイン名だ。

さてその記事は、赤城西麓土地改良区の事務所に太陽光発電設備が設置された、という話題だ。「赤城西麓土地改良区」って地域名か、と最初に思ったが、そうではなかった。これは法人名だった。

Wikipediaの土地改良区によれば、次のとおりだ。

土地改良区(とちかいりょうく)は、土地改良法(昭和24年6月6日法律第195号)に基づく土地改良事業を施行することを目的として同法に基づいて設立された法人である。

土地改良区は、「水土里ネット」(みどりネット)という愛称で呼ばれている。
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都道府県知事の認可を受けて設立された土地改良区は、法人とし(土地改良法第13条)、土地改良区でないものはその名称を使用することができない(土地改良法第14条)。

ということで、「赤城西麓土地改良区」は赤城西麓の土地改良事業を施行することを目的とする法人だ。この設備の全体像のとおり、この事務所はかなり大きい。土地改良事業にこれほど大きな事務所が必要とは、われわれ一般人には理解できない。

一般論だが、この土地改良区が認可されると、国や県から結構な金額の補助金が出るようだ。(ということは、利権をめぐって政治家が暗躍???)

それはともかく、この赤城西麓土地改良区の事務所に太陽光発電設備が設置された。詳しくは、同ホームページの赤城西麓土地改良区太陽電池発電所に書かれている。

この太陽光発電の出力は20kW。一般家庭の約5軒分だ。太陽光パネルはシリコン多結晶タイプ。ということは出力は少し落ち、太陽光発電パネル1枚あたり0.18キロワットだ。それを114枚設置し、出力20キロワットを得ている。

パワーコンディショナーは10kWを2台とのこと。太陽光パネルを2つのゾーンに分けている、ということだろう。そして年間発電量は、出力20キロワットから予想できるとおり、2万キロワット時だ。この出力で、同事務所の使用電力の約半分を賄える、とのことだ。

太陽光を利用した温まる椅子

2011年05月16日(月)

太陽光発電を利用した温まる椅子の話題だ。毎日新聞サイトの阪神版5月12日記事「東日本大震災:温熱椅子と太陽光発電機材、岩手に 21日、尼崎の2企業 /兵庫」から一部を引用する。

◇「安全だから安心」

尼崎市の2企業が協力し、電気で温まる椅子と太陽光発電の機材を、東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県大槌町の避難所に提供する。社長らが21日、現地に出発する。

提供する椅子は、「関西工事」(尼崎市東初島町)の「温芯浴ミニ悦」。木製で高さは46センチあり、36センチ四方の腰を掛ける部分には、炭素繊維のヒーターと保温に優れた平らな石約20個を敷き詰めている。電源を入れると、5~10分で温かくなる。

同社の久木元悦子社長(59)が、避難所の体育館の床でじっとしている被災者をテレビで見て、製品を届けることを思いついた。電源確保の問題を解決するため、太陽光発電機を販売する「みつば電気」(同市西難波町3)の役員、岡本光代さん(39)に相談し、セットで被災地に送る計画を立てた。

椅子の消費電力は8ワットで、今回提供するのは3台。太陽光発電機は快晴の下で1~2時間充電すれば、椅子がほぼ1日中使用できるという。
...(C)毎日新聞

兵庫県尼崎市の2企業のコラボ製品で、今回の東日本大震災の被災地に3セット贈るそうだ。

温まる椅子は木製で、腰をかける36センチ四方部分には炭素繊維のヒーターと、保温用の平らな石20個が敷き詰められている。ヒーターだけでなく、保温用に石を敷き詰めるアイデアが面白い。電源を入れると5~10分で温かくなるそうなので、予想よりは温まるのが早い。この椅子の部分を開発したのは尼崎市の関西工事という会社だが、このホームページを見てもこの話題は書かれていない。企業イメージアップの良いちゃんすなのに残念だ。

太陽光発電を利用した電源部分はやはり尼崎市のみつば電気という会社。このホームページにもこの話題は載っていない。

この太陽光発電の電源部分については、記事にはほとんど詳細情報は書かれていない。この会社のホームページを探すと、ポータブル太陽光発電機 ピカッとくんという製品ではないかと思われる。この製品なら、130ワット出力の太陽光パネル、130ワットのインバーター、バッテリーを装備した製品だ。この製品は車輪が付いており、任意の場所で任意の方向へ太陽光パネルを向けて使用できる。

引用記事によれば、快晴の元で1~2時間充電すれば、椅子をほぼ1日中利用できる、とのことだ。ということは、ヒーターの電力使用量はかなり少ないと思われる。事実、記事によればヒーターは8ワットだ。ホットカーペットを思い浮かべれば、8ワットというヒーターの出力がかなり小さいことが理解できる。その小出力で温まるため、熱容量の高い石を椅子に敷き詰める、といううまい戦略を採用した製品と言えよう。

八戸市のNPO主体のメガソーラー

2011年05月17日(火)

青森県八戸市の2つめのメガソーラーの話題だ。東奥日報サイトの5月13日記事「八戸のNPOが太陽光発電施設計画」から一部を引用する。

八戸市のNPO法人「グリーンシティ」が、メガソーラー(大規模太陽光発電施設)を八戸市内に建設・運営する構想を進めていることが12日、同法人の富岡敏夫理事長ら関係者への取材で分かった。同市では、東北電力が八戸火力発電所敷地内に出力1500キロワットのメガソーラーを建設中だが、同法人の構想では、これを上回る2千~3千キロワット級を目指す。発電した電力は全量を売電し、将来的には、収益により地域づくりに貢献する人材育成にも取り組む。事業費の一部は、市民らから出資を募りたい考え。今夏にも事業実施に向けた新組織を設立して施設を着工、来年4月の事業開始を目指す。

自然エネルギー拡大に向けた「全量買い取り制度」法案が国会で審議されていることに対応した動き。太陽光などによって発電された電気の買い取り価格が上昇すれば、事業の採算性を確保できると見込んでいる。太陽光発電は、日照時間が長く冷涼な気候が有利。八戸市は、年間日照時間が仙台市や東京都より長く梅雨がないため、適地とされている。

現在、太陽光パネルを設置する広大な土地の選定や事業資金の捻出方法、電力会社への送電方法などについて、電力会社や行政、関係機関と協議を進めている。初期投資は数億円規模とみられるが、流動的だ。

今後、グリーンシティが中心となって事業主体を新たに設立するが、株式会社にするか一般社団法人にするかは未定。事業計画の詳細は、現時点では明らかにできないとしているが、一般から広く出資を募る方法も検討している。
...(C)東奥日報

現在、八戸市には東北電力が1500キロワット(1.5メガワット)の大規模太陽光発電所を建設中だ。そのことについてはこのブログの4月2日記事「八戸市のメガソーラー発電所が着工」に書いた。

次に計画されている八戸市の大規模太陽光発電所は、なんとNPO組織が建設を計画している。これは非常に珍しい。いままでの全国の大規模太陽光発電所は、ほとんどが電力会社や企業、せいぜい自治体が主体であるからだ。

なぜ八戸市なのかといえば、日照時間の多さがその大きな理由だ。八戸市の日照時間は東京より多いのだ。また太陽光発電は温度が高くなると発電効率が落ちる特性があるが、八戸市は東北地方にあるため南国よりは気温が低く、その点でも有利だ。これは八戸市の特徴、というよりは東北地方の太平洋側の特徴だろう。

そして今回記事のメガソーラーの出力は、2,000~3,000キロワットを想定している、とのこと。これは結構大きな太陽光発電所といえる。

この太陽光発電所の実現には、国会での自然エネルギーの「全量買取制度」の如何による部分が多いようだが、実現を期待する。

太陽光発電設備を無償で設置

2011年05月19日(木)

今日は神奈川県の話題。読売新聞サイトの5月19日記事「ソーラーバンク構想始動、家庭に太陽光発電…神奈川」から一部を引用する。

黒岩知事が公約に掲げた、設置費用なしで家庭にソーラーパネルを普及させる「かながわソーラーバンク(KSB)構想」を検討する「かながわソーラープロジェクト研究会」(会長=村沢義久・東大総長室アドバイザー)の初会合が18日、神奈川県庁内で開かれた。

県は、KSB構想の仕組み案を議論のたたき台として初めて提示した。

同研究会は新エネルギーや金融などの学識経験者、パネルメーカーなどで作る事業者団体や、パネル設置を推進する民間活動団体(NGO)の代表、環境省と資源エネルギー庁の担当者ら9人の委員で構成する。

県の案では、KSBは、金融機関や投資家などから調達した資金で、パネルの購入や設置をメーカーや業者に大量発注し、申し込みのあった県民宅にパネルを設置。余剰電力の売電収入を得られる債権を、パネルを設置した県民から譲り受け、その収入で調達資金を償還する。

この日の会合では、1戸あたりの設置費用よりも、10年間で得られる売電収入の見込み額が少ないことや、維持・整備にかかる費用を誰が負担するのかなど、県の見解をただす質問や問題点の指摘が相次いだ。

同研究会は、6月中旬までにKSBの基本的な仕組みをまとめ、10月上旬までに組織形態などを報告、年度末をめどに最終報告をまとめる。
...(C)読売新聞

少し前になるが神奈川県知事に当選した黒岩知事が公約実現のため動き出している。その公約は、設置費用無しで家庭に太陽光発電設備を設置する、というもの。その構想を「かながわソーラーバンク(KSB)構想」と称するそうだが、その検討会が開かれた、という引用記事内容だ。

その構想実現の案は次のとおりだ。金融機関や投資家から資金を調達し、太陽光パネルなど太陽光発電に係る設備を大量発注することで単価を安くし、設置後は売電益で投資資金を償還する、という方法だ。

開かれた検討会では、売電見込み額の多少や、メンテナンス費用について質問や指摘が相次いだ、とのことだ。

私の疑問は売電価格だ。太陽光発電の余剰電力の売電価格は、一般家庭は1kWhあたり42円、大規模事業者は12円だ。電力会社から見たとき、この太陽光発電設備の費用負担はすべて県側であり、そうなるとこれは全体として大規模事業者とみなすことも可能なのではないか。そうなると42円では売電できないことになり事業の根幹が崩れる。まあ、政治力を発揮してそのようなことにはならないだろうがちょっと心配になった。

ぜひ実現してもらいたい構想だ。そして実現可能な見通しが立ったなら、他自治体がどんどん続いてこのプロジェクトと同一プロジェクトを立ち上げて実行してもらいたい。

秋田県の太陽光発電システム補助金

2011年05月20日(金)

秋田県の太陽光発電設置補助金の話題だ。秋田魁新報サイトの5月11日記事「太陽光パネル補助、共同住宅も対象に 高効率給湯器の交換推進」から。

(秋田)県は、個人の住宅が太陽光発電パネルを設置する際に交付している補助金の対象を、共同住宅にも拡大する。また高効率給湯器を導入する家庭に対しては、県独自の「省エネポイント」を付与する制度を継続する。これらの取り組みにより、温室効果ガスの排出削減に一層力を入れる狙いだ。

太陽光パネルへの補助は3年目。本年度、個人住宅には発電機の出力に応じ最大12万円、共同住宅は最大30万円を交付する。秋田市、横手市など10市町村にも独自の補助制度があり、設置者は県分と併せて補助が受けられる。申請期限は12月28日。

ヒートポンプ技術を利用する「エコキュート」、ガス給湯器「エコジョーズ」、石油給湯器「エコフィール」などの高効率給湯器に買い替える世帯には、前年度に続き「あきた省エネポイント」を付与する。新築住宅に設置する場合は対象とならない。申請期限は来年2月29日。(C)秋田魁新報

秋田県の県レベルの太陽光発電設置補助金は、このブログの2009年11月記事秋田の太陽光発電システム補助金によれば、1キロワット当たり6万円、上限24万円だった。それから2年度後の今年度の補助金額は、県のホームページ中の「平成23年度秋田県住宅用太陽光発電システム普及補助金について」によれば、1キロワットあたり3万円、上限12万円だ。補助金は半分に減ってしまったことになる。

ただ引用記事のとおり、今年度は個人住宅のみならず、共同住宅も太陽光発電設置の補助対象となる。その場合は、上限は30万円だ。補助を受けられる基準は、1キロワット当たりの設置単価が60万円以下だ。

もっと詳細な情報の太陽光発電システム普及補助金交付要領によれば、次の工事費用は設置価格から控除される。これらを差し引いた1キロワット当たりの設置単価が60万円以下なら補助の対象となる、ということだ。

項目 控除できる上限額
安全対策工事費 1kWあたり3万円(税抜)
陸屋根防水基礎工事 1kWあたり5万円(税抜)
積雪対策工事 1kWあたり3万円(税抜)
積雪架台嵩上げ工事 1kWあたり2万5千円(税抜)
風荷重対策工事 1kWあたり2万5千円(税抜)
塩害対策工事 1kWあたり1万円(税抜)
幹線増強工事 1件あたり10万円(税抜)

なお秋田県のホームページからリンクされている、雪国らしいページ「屋根設置の太陽エネルギー利用パネルからの落雪に注意」を見つけた。これは国民生活センターのホームページだ。太陽光発電パネルからの落雪で全国で被害が報告されている、とのこと。重大な事故につながる可能性があるという、注意を喚起する内容だ。そして、太陽光パネル表面はガラスですべりやすく割れやすいので雪下ろし時にも注意が必要であることも書かれている。

しかしこれは、ユーザが雪下ろしに注意する、ということでは根本解決にはならない。雪国に最適な太陽光発電パネル、または融雪装置を太陽光発電メーカーは開発すべき、と考える。このブログの2009年12月19日記事「雪国対応の太陽光発電パネル」で書いたとおり、太陽光パネルの上に透明な波板を載せるだけで十分な発電量を確保できているのだ。この方法は雪が自然に滑る落ちるため、太陽光による有効な発電が確保されている。雪下ろしの危険な作業も不要だ。メーカーは本腰を入れて雪国仕様の太陽光発電パネルを開発すべきだ。


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