2010年5月 | 燦燦太陽光発電.エコ

2010年5月

各戸に電力分配される太陽光発電のマンション

2010年05月01日(土)

マンションの太陽光発電設備は、このブログの2月7日記事「太陽光発電を備えたマンション」のように、その電力は共用部分の電力に使用されるのが通例だった。しかしこのブログの4月9日記事「マンションの太陽光発電」では、太陽光発電電力を各戸に分配するマンションが大牟田市に登場したことを話題にした。このマンションでは1戸当たりに割り振られる太陽光発電出力は、想定だが1.6キロワット程度だった。今日の話題は、このような太陽光発電電力が各戸に割り振られるマンションがついに首都圏に登場した、という内容だ。朝日新聞サイトの4月30日付の住宅新報社記事”各住戸に「太陽光電力」供給、大京のマンション「たまプラーザ」で導入”から一部を引用する。

大京は5月下旬から、各住戸への電力供給を可能にした太陽光発電システム搭載の分譲マンション「ライオンズたまプラーザ美しが丘 テラス」の販売を開始する。

集合住宅では共用部での利用が中心だった太陽光発電電力を、各住戸へ分配することが特徴。分譲マンションでは首都圏初となる。新エネルギー導入促進協議会から、「新エネルギー等事業者支援対策事業」の補助金交付が認められた。

太陽光パネルは、マンションの屋上部分に約500平方メートルの広さで設置する。年間発電量は約7万804キロワット。発電した電力は、各住戸の床面積比率で按分する。発電電力と消費電力を比べ、余剰電力があった場合は1キロワット当たり24円で売電可能。同社の試算によると、標準的な家庭の電気料金の場合、年間約20%削減できる(11万5126円から9万3140円に削減)。
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物件の所在地は、横浜市青葉区美しが丘4丁目、東急田園都市線たまプラーザ駅徒歩12分、あざみ野駅徒歩14分。敷地面積3057平方メートル、地上7階建て・総戸数79戸。専有面積65~96平方メートル。竣工予定は2011年3月。 (C)住宅新報社

このマンションは横浜市青葉区。引用記事には例によって単位の誤りがある。「年間発電量は約7万804キロワット」ではなく「年間発電量は約7万804キロワット時」と、単位は"キロワット時"でなければならない。これを元にこの太陽光発電システムの出力を推定すると、約78キロワットとなる。

一方、太陽光発電パネルの設置面積は約500平方メートルとのこと。通常の太陽光発電パネルは1.5平方メートルの出力が0.2キロワット程度なので計算すると、500平方メートル÷1.5平方メートル×0.2キロワット ≒ 67キロワットとなる。2つの推定出力の間をとって、とりあえず出力は70キロワット程度と想定しておく。

このマンションは79戸。電力割り振りは床面積比率で割り振るルールのようなので一概にはいえないが、1戸当たりの太陽光発電主力は1キロワット弱、ということになる。これはかなり少ない。土地価格が高価な首都圏では広い設置面積は取れないので、やむをえないとしても少ない印象はぬぐえない。

なお引用記事では、売電は1キロワットあたり24円とあるが、これは通常価格の半値だ。これは、売電益の半値はマンション建築会社の大京が取得する、ということになると見なすしかない。う~~む、このマンションは太陽光発電という付加価値が付いているので通常より高価と思うが、割り振られる出力は1キロワット弱とかなり少なく、また売電益の半分を建築会社に取られるのでは、あまり太陽光発電のメリットが無いと思うのは私だけだろうか。

アーケードの太陽光パネル

2010年05月03日(月)

このブログの1月2日記事「アーケードに太陽光発電とLED照明を設置」に、甲府市中心部の商店街がアーケード改修に伴い太陽光発電設備を設置することを決定したことを書いた。今日はその続編記事だ。読売新聞サイト山梨版の4月29日記事「アーケード半世紀に幕 甲府オリオン通り 太陽光パネル化」から。

甲府市中心部の商店街「オリオン通り」で28日、アーケードの解体式が行われ、関係者が改修工事の成功を祈願した。アーケードは約半世紀の使命を終え、5月6日から解体を始める。6月に改修工事に入り、8月には全面ガラス張りのアーケードに生まれ変わる。

アーケードは長さ50メートル、高さ6メートルで、1961年に建設された。老朽化が激しく、総事業費1億3500万円をかけて改修する。新しいアーケードは高さが9メートルと高くなり、屋根の上に出力7キロ・ワット程度の太陽光発電パネルを載せ、照明に発光ダイオード(LED)を使う予定。アーケード内の商店は5月いっぱい割り引きセールを行う。(C)読売新聞

この引用記事は、そのアーケードの解体式が行われたという内容だ。このアーケードは1961年に建設されたというから約50年になる。傷みが相当激しかったことが想像できる。

このアーケードは長さ50メートルとのこと。結構長い。この新しいアーケードの屋根に太陽光パネルを設置する。前回引用では出力10キロワット程度の太陽光発電設備とのことだったが、計画は縮小されたようで出力は7キロワットになった。

この改修工事の事業費は前回記事も今回記事も同一金額で、1億3500万円という結構な金額だ。なお今回の引用記事には書いていないが、前回記事によればこの事業費の2/3は経済産業省からの補助金だそうだ。前回記事では補助が決定すれば5月に着工とあったので、この補助金は貰えた、ということだろう。

なおこれも前回記事によれば、太陽光パネルは屋根の中央部のガラス中に挟み込んで屋根と一体化する予定、とのことだ。ガラス張りのアーケードとなる予定なので、太陽光パネルで光を遮断することを避けるにはこの方法がベストなのだろう。もっとも光を一部通す太陽光パネルも世の中には存在するが、予算の都合でそれは採用されなかったのだろう。

大分県日出町役場庁舎屋上の太陽光発電

2010年05月05日(水)

今日は大分県日出町の話題。毎日新聞サイト大分版の5月4日記事「日出町:役場屋上に太陽光発電施設 県内市町村で初めて /大分」から。

日出町役場屋上に太陽光発電施設がこのほど完成した。庁舎を利用した太陽光発電は県内の市町村では初めてだという。

国の経済対策臨時交付金2198万円を使い整備した。縦1メートル、横1・4メートルの太陽光発電パネルを96枚設置。試算では、年間2万1000キロワット時の電力を生み出すことができる。役場が使用する電力の4・8%にあたり、二酸化炭素排出量を7・3トン削減できるという。

役場1階ロビーには発電量を表示するモニターを設置。屋上に設置したのと同じパネル1枚もロビーに置き、来庁者にPRする。(C)毎日新聞

大分県日出(ひじ)町は別府湾に面した人口約2万9千人の町だ。その町役場の屋上に太陽光発電設備が設置された。これは大分県内の庁舎では初めてとのことだ。

この太陽光発電設備は国の補助金で整備した、とのこと。いままでこのブログでいくつか例があったが、国の補助金で太陽光発電設備を設置すると設置費用が非常に高くなる例ばかりだ。この日出町ではどうだろうか、計算してみる。

太陽光パネルのサイズは1メートル×1.4メートルとのことなので、通常のサイズの太陽光パネルだ。通常の太陽光パネルの出力は1枚当たり約0.2キロワットで、太陽光パネルを96枚設置した、というから、予測される出力は96枚×0.2キロワット= 19.2キロワットだ。一方、年間の発電量は試算では2万1000キロワットとのことなので、これから計算される出力は21キロワットだ。2つの計算方法でだいたい同じ値になるので、ここではとりあえず出力20キロワットとしておく。20キロワットの出力は、自治体庁舎の屋根に設置された太陽光発電システムとしてはまあまあ大きい方に入るだろう。

さてこの20キロワットの太陽光発電システムを設置するのにかかった費用は2198万円。ということは、1キロワット当たりの設置費用は100万円を超えている。案の定、非常に高い費用だ。そしてこの費用はすべて補助金で賄われており、補助金とは税金なのだ。またしても税金の無駄遣いだ。

安城市の省エネプロジェクト

2010年05月07日(金)

今日は愛知県安城市の話題。読売新聞サイトの5月6日記事「小中学校で省エネ 削減額の80%還元 愛知・安城市」から一部を引用する。

「地球にやさしい環境都市」を宣言している愛知県安城市。市立の全29小中学校で昨年から始めた省エネプロジェクトが成果を上げている。

プロジェクトは、学校ぐるみで省エネに力を入れてもらうため、電気、ガス、水道など光熱水道費を過去3年の平均よりも減らした場合、その削減額の80%を学校に還元するというもの。

ドイツで行われている「フィフティ・フィフティ・プロジェクト」を参考にしたが、ドイツでの還元率は50%。市環境首都推進課の天野竹芳課長は、80%とした理由を「節減意欲をさらに高めるため」と説明する。

1年目の昨年は各校とも7~12月の半年間を集計した。敷地内に風力と太陽光の発電システムを設置している安城北部小学校では、全校児童にわかるように太陽光発電の仕組みを紹介するパネルを設置。使ったエネルギー量を1か月ごとに掲示板に張り出し、児童の省エネ意識を高めることで、7~12月の校内の光熱水道費を、過去3年の同時期よりも5・2%削減した。
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全小中学校の光熱水道費(昨年7~12月)は計7500万円で、過去の平均より1000万円(約12%)少なかった。市の試算では、CO2排出を54トン削減したことになるという。

市は昨年度、削減率を5%程度と見込んで半年分の300万円を予算に計上していたが、予想を超えたため追加予算を組んだ。今年度予算には1年分でとりあえず600万円を計上している。天野課長は「昨年は、天候の関係でプール使用による水道代が減ったこともあるが、上々の結果だった。子供たちの意識をさらに高めたい」と話している。(C)読売新聞

安城市は「地球にやさしい環境都市」を宣言しているとのこと。そこで安城市のホームページを見たが、トップページを含め主なページを見た限りではこの宣言文は掲載されていない。そこで検索したところ、地球にやさしい環境都市宣言ページを見つけた。宣言は1998年と12年も前なのでトップページから埋もれてしまったのだろうか。さらに検索すると、この宣言を実現するため安城市環境基本計画を策定し実行しているようだ。具体策には欠けるようには思うが立派な内容と思う。

さて今日の話題は安城市の省エネプロジェクト。市のホームページ中にも「地球を守ろう!」学校省エネプロジェクトが掲載されている。

この省エネプロジェクトには市内の全29小中学校が参加。生徒・教職員が省エネに勤め節約できた光熱費の8割を学校に還元する、というユニークな制度だ。そして還元された報奨金の使途は児童会・生徒会で決める、ということもユニークだ。

このプロジェクトはドイツの類似プロジェクトを参考にしたそうだが、ドイツでは還元率50%なのに安城市では80%と、市の意気込みが感じられる。

このプロジェクトにより、昨年後半の半年で光熱費は約1000万円も節約できたそうだ。そして温室効果ガスは54トンも削減できたことになる。この節約は約12%に相当するとのことだ。省エネ意識を高めるだけで光熱費が1割も減らせるとは、驚きだ。この「バックマージン型」プロジェクトは効果があるとみなせる。なお市は、予想より削減率が高かったため追加予算を組んだそうだ。

ここで安城市の太陽光関連補助金を調べた。太陽光発電設置補助金は、1キロワット当たり7万円で、上限6キロワット。金額・上限とも、市町村レベルの太陽光発電設置補助金ではトップレベルだ。そしてさらに、この補助金の予算は2010年度は1億4000万円にものぼるのだ。市町村レベルでこの予算額は突出している。県でこの予算より少ないところもあるくらいだ。

また太陽熱利用システムへの補助金もある。こちらの金額は、集熱器の面積1平方メートル当たり1万6000円だ。こちらは利用者が少ないことを予想しているせいか、予算額は100万円だ。

ということで、安城市は環境対策にかなりの熱意をもっておりそれを政策にも反映していることがわかった。

香川県内市町村の太陽光発電設置補助金

2010年05月10日(月)

今日は香川県の話題。読売新聞サイト香川版の5月7日記事「補助申請ぐんぐん 我が家も太陽光発電」から一部を引用する。

一般住宅の太陽光発電システムの設置費について、一部を独自に補助する支援制度を設ける市町が(香川)県内で増えてきている。三豊市は今年7月から導入、2007年度末に一度打ち切った坂出市も今年度から復活。環境に優しいことに加え、国の補助制度の再開などで関心が高まっているとみられ、高松市で09年度の申請件数が前年度の2・7倍となるなど、既に実施している市町では申し込みが殺到している。

補助制度は地球温暖化防止対策の一環。県環境政策課によると、09年度に独自の補助制度を設けたのは高松、観音寺の両市と多度津町。04年度に始めた坂出市は県の補助がなくなった08~09年度はやめていたが、需要の高まりから、今年4月に再開した。

各市町は、10万~20万円を上限に、発電システムの出力1キロ・ワットあたり数万円を補助する。国が05年度で一度打ち切っていた設備の購入支援制度を昨年1月に再開しており、国の制度も併用でき、最大で90万円の補助を受けることができる。

03年度から制度を導入している高松市では、申請件数は毎年度200件前後で推移。08年度も193件だったが、09年度は約530件と急増した。
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観音寺市でも09年度、年間の申請枠30件が5月中に埋まり、枠を拡大。最終的な申し込みは80件に達した。7月から申請を受け付ける三豊市は50件を見込むが、すでに問い合わせが相次いでおり、市は「あっという間に枠が埋まってしまうかも」と驚く。

県環境政策課は「補助制度によって設置費が抑えられるようになったことと、日照時間が長いことから急速に普及してきているのではないか」としている。(C)読売新聞

香川県といえば日照が多く毎年のように水不足、というイメージだ。この日照の多さは太陽光発電に非常に向いている。引用記事のとおり、香川県の各市町村では太陽光発電設置補助金の制度があるが、前年度の2.7倍の申込みとなった高松市を初めとしてこの補助金の人気は高い。

香川県内の市町村の太陽光発電設置補助金については、温暖化対策をまとめた県の地球温暖化対策関連施策ページに詳しい。このページは県の環境政策課地球温暖化対策グループが県内の温暖化対策関連施策を一覧にまとめたものだが、県のホームページとしてはよくまとまっている。このページによれば、香川県内で太陽光発電設置補助金制度のある市町村は、高松市、坂出市、観音寺市、三豊市、多度津町だ。

引用記事のとおり各市町村の補助金額は、1キロワット当たり数万円、上限10万~20万円と市町村レベルの補助金としては金額は多くはない。限られた予算でできるだけ多くの補助件数とするため補助金額を下げたのは高松市だ。しかし高松市のこの補助金の今年度の予算額は1億円だ。これは市町村レベルとしてはかなり多い。

しかし残念なのは県に太陽光発電設置補助金の制度が無いことだ。引用記事最後に県が「補助制度によって設置費が抑えられるようになったことと、日照時間が長いことから急速に普及してきているのではないか」と人ごとにように発言しているが、補助を行えば太陽光発電の設置はさらに進むことは証明されているのだから、県レベルでも太陽光発電設置補助金を導入すべきだろう。


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